交通事故コラム詳細

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2025.2.22

自賠責実務

後遺障害診断書のポイントとは?等級認定されるコツも解説|交通事故

交通事故で後遺障害が残った際に、自賠責保険から適正な賠償を受けるためには「後遺障害診断書」の記載内容が重要です。

 

後遺障害診断書の内容次第で等級認定や賠償額が変わるため、記載のポイントを理解して、医師へ適切に伝えることが必要です。

 

本記事では、後遺障害診断書の記載ポイントや注意点について解説しています。適切な後遺障害診断書を作成してもらい、正当な補償を受けるための知識を身につけましょう。

 

 

最終更新日: 2025/2/22

 

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Table of Contents

後遺障害診断書の記載ポイント

後遺障害診断書は等級認定の最重要書類

後遺障害診断書は、交通事故による後遺障害認定において最も重要な書類です。後遺障害認定を受けるためには、診断書の内容が適切かつ詳細であることが不可欠です。

 

医師との綿密なコミュニケーションを通じて、自身の症状や日常生活への影響を正確に伝えて、診断書に反映させることが重要です。

 

 

傷病名と自覚症状は一対一対応が原則

後遺障害診断書において、傷病名と自覚症状は一対一対応になっていることが重要です。

 

つまり、記載されている各傷病名に対して、それぞれの具体的な自覚症状が漏れなく記載されている必要があります。

 

 

自覚症状は常時性が求められる

自覚症状の記載には「常時性」が求められます。「ときどき痛い」「雨の日に痛い」といった表現は避ける必要があります。

 

<参考>
効果的な後遺障害診断書のもらい方|交通事故の医療鑑定

 

 

精神・神経の障害、他覚症状及び検査結果の書き方は?

精神・神経の障害、他覚症状及び検査結果の記載は、後遺障害診断書の重要な部分です。画像検査や神経学的検査から得られた他覚的所見を、詳細に記載する必要があります。

 

例えば、画像検査では椎間板ヘルニア、椎間板腔狭小化などの所見を記載します。外傷ではない退行性変性であっても、記載が推奨されます。

 

神経学的検査を実施したら、その結果も必ず記載します。ただし、「原因不明」や「異常なし」といった記述は避ける必要があります。少なくとも神経学的検査で何らかの異常が確認できることが重要です。

 

 

障害内容の増悪・緩解の見通しなどについての禁忌ワードとは?

障害内容の増悪・緩解の見通しについて記載する際は、注意すべき禁忌ワードがあります。

 

「症状が軽快する可能性がある」「回復の見込みあり」などと記載されると後遺障害に認定される可能性はありません。

 

弊社の経験では、このような記載がされている後遺障害診断書は決して珍しくありません。

 

主治医に悪気は無いのですが、一般的な医師は後遺障害認定の審査基準を知らないと考えるべきでしょう。

 

 

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後遺障害診断書の注意点

後遺障害診断書を医師に依頼する際の注意点

後遺障害診断書は、主治医に作成を依頼しますが、医師は後遺障害の認定基準を十分に理解していない可能性があります。

 

そのため、診断書作成前に自身の症状や必要な検査について医師と十分に話し合い、適切に記載されるよう依頼することが重要です。

 

 

後遺障害診断書の内容を必ず確認する

診断書を受け取ったら、記載内容を必ず確認しましょう。特に、症状や検査結果が正確に記載されているか、数値の誤りや記載漏れがないかをチェックすることが大切です。

 

 

後遺障害診断書に記載漏れが無いか?

後遺障害診断書に記載漏れがあると、その症状は後遺障害認定の対象外となる可能性があります。

 

特に、複数の症状がある場合、「○○など」とまとめられていないか確認して、すべての症状が具体的に記載されていることを確認しましょう。

 

 

記載内容は後遺障害認定基準を満たしているか?

後遺障害認定の審査は、診断書の記載内容に基づいて行われます。そのため、記載内容が後遺障害認定基準を満たしていることが必須です。

 

医師が認定基準を十分に理解していない場合もあるため、必要に応じて交通事故に詳しい弁護士に相談して、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。

 

 

<参考>
【日経メディカル】各科の医師が覚えておきたい「患者さんを救う」後遺障害診断書の書き方

 

 

 

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後遺障害診断書とは

後遺障害診断書を作成するのは医師

後遺障害診断書は、医師のみが作成できる公式な文書です。柔道整復師や鍼灸師などの医療従事者は作成権限を持ちません。

 

通常、継続的に治療を担当している主治医に依頼しますが、症状によっては専門医に作成を依頼することもあります。

 

複数の診療科にわたる後遺症がある場合、それぞれの専門医に後遺障害診断書を作成してもらうことが重要です。

 

 

後遺障害診断書は症状固定後に作成する

後遺障害診断書は、症状固定と判断された時点で作成を依頼します。症状固定とは、治療を続けてもこれ以上の回復が見込めない状態を指します。

 

この時点で後遺症の程度が明確になるため、適切な後遺障害診断書の作成が可能となります。

 

 

後遺障害診断書の記載内容

後遺障害診断書には、以下の項目が詳細に記載されます。これらの情報が詳細かつ正確に記載されることで、後遺障害等級の適切な認定につながります。

 

患者情報

氏名、生年月日、性別など

 

事故の概要

事故発生日時、場所、状況

 

受傷内容

負傷した部位や具体的な傷病名

 

治療経過

初診日、治療内容、経過、症状固定日

 

患後遺症の内容

具体的な症状、障害の程度、日常生活への影響

 

 

<参考>
効果的な後遺障害診断書のもらい方|交通事故の医療鑑定

 

 

後遺障害診断書を入手するまでの期間は?

診断書の作成期間は医師や医療機関によって異なります。早ければ数日で作成されることもありますが、1ヶ月程度かかることもあります。

 

作成を依頼する際には、医師に具体的な納期を確認して、スケジュールに余裕を持って手続きを進めることが大切です。

 

 

後遺障害診断書の費用

後遺障害診断書の作成費用は、医療機関によって異なりますが、一般的には5,000~10,000円程度が相場とされています。ただし、より高額な費用を請求する医療機関も存在します。

 

通常、作成費用は患者が一時的に立て替えますが、後遺障害等級が認定された場合、この費用も加害者側に請求できる場合があります。

 

保険会社が一括対応している場合は、直接保険会社が医療機関に支払うケースもあります。

 

 

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後遺障害認定ポイント【弁護士必見】

 

自賠責保険で後遺障害が認定されるためには、後遺障害診断書の記載内容ルールを熟知する必要があります。

 

一方、後遺障害診断書の中には、実臨床に基づく医学的知識が必須となる箇所が少なくありません。

 

後遺障害診断書の記載内容で、不明点やお困りの事案があれば、こちらからお気軽にご相談下さい。

 

 

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後遺障害認定でお困りの事案で弊社ができること

弁護士の方へ

弊社では、交通事故後の後遺障害認定でお困りの事案に対応するため、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニングは、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニングの有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニングを承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

<参考>
【等級スクリーニング】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 

医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。

 

医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。

 

弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

交通事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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交通事故後の後遺障害認定でお悩みの被害者家族の方へ

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

 

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尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

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後遺障害診断書のポイントでよくある質問

後遺障害診断書に記載されている内容は?

後遺障害診断書には、患者の基本情報、事故の概要、受傷部位と傷病名、治療経過、症状固定日、後遺症の具体的な内容や程度、検査結果、日常生活への影響などが詳細に記載されます。

 

これらの情報が正確かつ具体的であることが、適切な後遺障害等級の認定に直結します。。

 

 

後遺障害が認定されない理由は何ですか?

後遺障害が認定されない主な理由として、診断書の記載内容が不十分であることが挙げられます。

 

例えば、症状や障害の程度が具体的に記載されていない、検査結果が不足している、症状と事故との因果関係が明確でないなどの場合、認定が難しくなります。

 

また、医師の記載ミスや記載漏れも影響するため、診断書の内容を十分に確認することが重要です。

 

 

後遺障害14級が認められる確率は?

2023年度 自動車保険の概況(2022年度統計)によれば、全交通事故のうち約4.48%が後遺障害認定を受け、その中で約56.4%が14級に該当しています。

 

これを全交通事故件数に対する割合で見ると、14級の認定率は約2.53%となります。尚、後遺障害14級は、後遺障害等級の中で最も軽度とされる等級です。

 

 

後遺障害14級9号の示談金相場はいくらですか?

後遺障害14級9号に該当する場合、自賠責保険からの後遺障害慰謝料は32万円と定められています。

 

しかし、任意保険基準や裁判基準では、これより高額になることが一般的です。例えば、裁判基準では110万円程度が目安とされています。

 

ただし、具体的な金額は事故の状況や被害者の職業、年齢、収入などによって変動するため、専門の弁護士に相談することをおすすめします。

 

 

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まとめ

 

後遺障害診断書には、傷病名や症状固定日、治療経過、検査結果などが詳細に記載されて、認定の判断材料となります。

 

特に、傷病名と自覚症状は対応している必要があり、症状については「ときどき痛む」といった曖昧な表現ではなく、継続的に存在することを記載する必要があります。

 

また、画像検査や神経学的検査の結果を詳しく記録し、「原因不明」や「異常なし」といった表現は避けなければなりません。

 

さらに、「回復の可能性がある」と記載されると認定が難しくなるため注意が必要です。

 

診断書の内容を事前に確認し、記載漏れがないかチェックすることも忘れてはいけません。

 

交通事故の後遺障害認定で、お困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

 

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