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腱板損傷で12級が後遺障害認定されるポイント|交通事故の医療鑑定

肩の腱板損傷を受傷すると、日常生活や仕事に大きな影響を及ぼすケースが珍しくありません。

 

そして、交通事故で受傷した腱板損傷に後遺症が残ると、後遺障害12級に認定される可能性があります。

 

本記事では、腱板損傷が、後遺障害12級に認定されるための基準や具体的な事例を詳しく解説しています。

 

 

最終更新日: 2026/2/13

 

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Table of Contents

腱板損傷とは?

腱板損傷の概説

腱板損傷とは、肩関節の回旋筋腱板(棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋)の損傷です。特に、棘上筋の損傷が多く見られます。

 

腱板は、肩関節の安定化に重要な役割を果たしているため、腱板損傷が生じると肩関節の正常な機能が失われます。

 

 

腱板損傷の原因と受傷機転

腱板損傷の原因は、スポーツによる繰り返しの動作や加齢による変性、転倒などの外傷が主な要因です。外傷には交通事故も含まれます。

 

特に野球やラケットスポーツ、水泳などの肩を酷使するスポーツが原因となることが多いです。また、加齢に伴う変性も原因の一つです。

 

 

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腱板損傷の症状

腱板損傷の主な症状には以下のようなものがあります。尚、これらの症状は腱板損傷の程度や部位によって異なり、感じ方には個人差があります。

 

 

肩の痛み

腕を上げたり回したりする動作の際に痛みを感じます。夜間には痛みが強まり、睡眠を妨げることもあります。

 

腕が上がらない

腱板損傷の範囲が広いと、腕を完全に挙げることができなくなったり、動作が途中で止まってしまうことがあります。

 

肩の力が入らない

物を持ち上げたり押したりする際に、肩に力が入らなくなります。

 

肩の違和感

肩に引っかかるような感覚や、ゴリゴリとした音が鳴ることがあります。

 

 

腱板損傷の診断方法

腱板損傷の診断には、MRIや超音波検査などの画像検査が用いられます。特にMRI検査は、腱板の損傷部位や範囲を詳細に評価するのに有用です。

 

身体検査として、ドロップアームテスト(Drop arm test)、ニアーテスト(Neer test)、ホーキンステスト(Hawkins test)などがあります。

 

 

腱板損傷の12級とは?

腱板損傷の後遺障害等級(可動域制限などの機能障害)

等級

認定基準

8級6号

上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの

10級10号

1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

12級6号

1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの

 

 

8級6号: 1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの

 

  • 関節が強直したもの。但し、肩関節では、肩甲上腕関節が癒合し骨性強直していることがレントゲン等により確認できるものを含む
  • 関節の完全弛緩性麻痺又はこれに近い状態(自動運動で関節の可動域が健側の可動域角度の10%以下になったもの)にあるもの
  • 人工骨頭置換術が施行されており、かつ肩関節の可動域が2分の1以下に制限されるもの

 

 

8級6号に該当する可能性がある傷病は、上腕骨近位端骨折です。上腕骨近位端骨折では、高い確率で肩関節の可動域制限をきたします。

 

一方、腱板損傷で8級6号に認定されるケースは、弊社の経験でも、ほとんど存在しません。

 

 

 

10級10号: 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの

 

  • 肩関節の可動域が健側と比べて2分1以下に制限されるもの

 

 

腱板断裂のために、肩関節の可動域が、健側の可動域の1/2以下に制限されているものです。

 

腱板断裂のために肩の動力源が無くなって可動域制限が出現するケースと、痛みで肩を動かさなかったために関節拘縮をきたすケースがあります。

 

 

<参考>
肩関節拘縮(拘縮肩)の原因と画像所見|交通事故の後遺障害

 

 

 

12級6号: 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの

 

  • 肩関節の可動域が健側と比べて4分3以下に制限されるもの

 

 

腱板損傷では、肩関節の可動域制限を残す可能性があります。特に高齢者では、肩関節の可動域制限を残しやすいです。

 

 

 

腱板損傷の後遺障害等級(肩関節の痛み)

等級

認定基準

12級13号

局部に頑固な神経症状を残すもの

14級9号

局部に神経症状を残すもの

 

 

12級13号:局部に頑固な神経症状を残すもの

 

受傷後早期のMRI検査で腱板損傷の存在が明らかな場合には、12級13号に認定される可能性があります。

 

 

14級9号:局部に神経症状を残すもの

 

自賠責認定基準12級13号を満たさない撮像時期や画像所見であっても、MRI検査で腱板断裂を認めれば14級9号に認定される可能性があります。

 

 

腱板損傷12級の基準と症状

後遺障害12級の認定基準は、肩関節の可動域が4分の3以下に制限される場合(12級6号)と、肩の痛みが残存する場合(12級13号)です。

 

後遺障害12級の具体的な症状は、肩のラインよりも上に腕を挙上できるものの、耳までは全く届かない状態です。

 

また、少しでも肩を動かすと(腕を挙上すると)、ひどい肩の痛みが出る状態も12級の症状です。

 

 

腱板損傷で10級認定は難しい?

一般的に、腱板損傷が後遺障害10級に認定されるのは難しいです。10級認定には、肩関節の可動域が2分の1以下に制限される必要があるからです。

 

一方、実臨床では、腱板損傷が原因となって、肩関節の可動域が2分の1以下に制限されているケースも珍しくありません。

 

しかし、加齢の影響が大きい症例が多く、腱板損傷だけで10級レベルの関節可動域制限を併発するのは比較的稀です。

 

 

12級認定の具体的な事例

事案サマリー

 

  • 被害者:32歳
  • 初回申請:非該当
  • 異議申立て:12級6号

 

30歳代が自動車運転中に正面衝突して受傷しました。MRIでは棘上筋腱滑液包面部分断裂を認めました。

 

自賠責保険に被害者請求したところ、腱板損傷と交通事故との因果関係を否定されて、非該当になりました。

 

 

弊社の取り組み

 

弊社で精査したところ、MRI検査では棘上筋腱滑液包面部分断裂に加えて、腱板を構成する筋群に筋萎縮や脂肪浸潤を認めませんでした。

 

「筋萎縮や脂肪浸潤を認めないのは新鮮外傷である客観的証拠である」「疫学研究で30歳代では変性断裂がほぼ存在しない」の2点を主張しました。

 

自賠責保険は、医師意見書の見解を採用して腱板損傷と事故との因果関係を認め、12級6号の後遺障害が認定されました。

 

 

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<画像所見>
棘上筋、棘下筋、肩甲下筋に筋萎縮や脂肪浸潤を認めない。

 

 

腱板損傷12級の後遺障害認定ポイント【弁護士必見】

腱板損傷と事故の因果関係を解決する方法

腱板損傷が交通事故で受傷したことを証明するためには、事故直後の診療録の記載内容(診断書の傷病名でも可)が重要です。

 

50歳以上では、加齢による変性断裂が増加します。このため、受傷時から症状が出現したことの証明が重視されるのです。

 

 

<参考>
【日経メディカル】その腱板断裂、ホントに交通事故の後遺症?

 

 

 

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因果関係の証明には事故後早期のMRIが必須

また、交通事故後の早期にMRI検査を施行して、腱板損傷だけではなく急性期所見の存在を証明することが必要です。

 

また、新鮮外傷であることの証明には、12級認定の具体的な事例のように、腱板を構成する筋群に筋萎縮や脂肪浸潤を認めないことも有用です。

 

 

<参考>
腱板損傷と交通事故の因果関係を証明する方法|後遺障害の医療鑑定

 

 

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医師意見書でロジックの補強

腱板損傷が交通事故によるものであることを証明するためには、医師意見書も重要です。

 

医師意見書では、画像所見の解説に加えて、疫学調査を引用して腱板損傷と事故の因果関係を主張します。

 

交通事故で受傷した腱板損傷が非該当になってお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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Traffic accident patient

 

 

腱板損傷12級の後遺障害認定で弊社ができること

弁護士の方へ

弊社では、交通事故で受傷した腱板損傷が後遺障害12級に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。

 

 

等級スクリーニング®

 

現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。

 

等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的データ量をベースにしています。整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。

 

等級スクリーニング®の有用性を実感いただくため、初回事務所様は無料で承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。

 

 

<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

 

 

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医師意見書

 

医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。

 

医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した専門医が作成します。作成前に検討項目を共有して、クライアントと意見書の内容を擦り合わせます。

 

必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックで、意見書の質を担保しています。

 

弊社は、数千におよぶ医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例があります。是非、弊社の医師意見書の品質をお確かめください。

 

 

<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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画像鑑定報告書

 

事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。

 

画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの画像検査や資料を精査して、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。

 

画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。

 

弊社では、事案の分析から画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。

 

 

<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て

 

 

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腱板損傷12級の後遺障害認定でお悩みの被害者の方へ

弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。

 

また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。

 

もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。

 

 

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尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。

 

弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解のほどお願いいたします。

 

 

 

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腱板損傷12級の慰謝料相場

 

12級の慰謝料相場は、裁判所基準で約290万円、自賠責基準は94万円です。任意保険基準は非公開ですが、自賠責基準よりも少し高いようです。

 

 

腱板損傷12級でよくある質問

12級6号と12級13号の違いは何ですか?

12級6号は、肩関節の機能障害(可動域が健側の4分の3以下)に該当する場合の後遺障害等級です。

 

一方、12級13号は局部に頑固な神経症状を残すものとされ、痛みやしびれが主症状の場合です。可動域制限の有無が両等級の違いです。

 

 

可動域はどこまで制限されると12級6号になりますか?

原則として主要運動(屈曲・外転など)が健側の4分の3以下であれば12級6号の可能性があります。

 

他動可動域での測定が基準で、自動値は参考扱いです。測定誤差や疼痛回避動作も慎重に評価されます。

 

 

MRIで異常があれば必ず12級になりますか?

MRIで断裂が確認できても、それだけでは足りません。事故態様、受傷直後の発症、一貫した治療経過など、症状との整合性が求められます。

 

 

痛みだけで12級13号は認定されますか?

痛みのみの場合でも、MRI所見など客観的裏付けがあり、症状が固定し一貫していれば12級13号の可能性はあります。

 

ただし他覚所見が乏しい場合は、非該当もしくは14級9号にとどまることも多いです。

 

 

手術をしていないと12級は難しいですか?

必ずしも手術は12級に認定される条件ではありません。保存療法でも可動域制限や痛みの原因が医学的に証明できれば認定の可能性はあります。

 

 

加齢性変化と言われたら12級は否定されますか?

加齢性変性があっても、事故により症状が悪化・顕在化したと医学的に証明できれば認定の可能性はあります。

 

 

12級と14級の分かれ目は何ですか?

客観的所見の有無が大きな違いです。MRIで新鮮な腱板断裂が確認され、症状と整合すれば12級13号の可能性があります。

 

新鮮外傷を示唆する画像所見が乏しく、痛み中心であれば14級9号にとどまる傾向があります。

 

 

異議申し立てで12級に上がることはありますか?

初回14級や非該当でも、新たな診断書、診療録、医師意見書、画像鑑定などの提出により12級に変更されるケースはあります。

 

 

症状固定の時期はいつが適切ですか?

一般的には受傷後6ヶ月前後が目安ですが、改善の見込みが乏しいと判断された時点で症状固定となります。

 

被害者の立場では、早すぎる固定は不利になることもあるため、治療経過の見極めが重要です。

 

 

後遺障害診断書で特に重要な点は?

他動可動域の正確な数値、疼痛の具体的内容、画像所見、治療経過の記載が重要です。断裂部位や筋萎縮の有無など客観的情報があると有利です。

 

 

腱板損傷の治療法は?

腱板損傷の治療法には、保存療法と手術療法の2種類があります。保存療法では、内服薬やリハビリテーションを通じて症状を緩和します。

 

具体的には、痛み止めや消炎鎮痛剤、ステロイド注射などが用いられます。手術療法では、損傷した腱板を修復します。

 

手術後はリハビリテーションが必要となります。どの治療法が適しているかは、医師と相談して決めることが重要です。

 

 

腱板損傷の治療期間は?

腱板損傷の治療期間は、損傷の程度や治療方法によって異なります。軽度の腱板損傷ならば、治療期間は約3ヶ月で改善することが多いです。

 

中等度の腱板損傷では6〜12ヶ月、重度の腱板損傷では1年以上かかることがあります。

 

予後を決定する要因として、腱板の断裂の大きさや脂肪化の有無が挙げられます。早期に適切な治療を受けることが重要です。

 

 

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まとめ

 

腱板損傷とは、肩の腱が損傷することです。外傷や変性が主な原因で、肩の痛みや腕が上がらない、肩の力が入らないなどの症状が現れます。

 

診断にはMRI検査や超音波検査が用いられます。後遺障害12級の認定基準には、肩の可動域制限(12級6号)や肩の痛み(12級13号)があります。

 

50歳代以降は、加齢による陳旧性断裂が増えるため、12級認定には腱板損傷と事故の因果関係証明が必要です。

 

交通事故で受傷した腱板損傷に関してお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。尚、初回の法律事務所様は無料で等級スクリーニング®を承ります。

 

 

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