交通事故コラム詳細

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2023.3.1

自賠責実務

症状固定は誰が決める?納得できない時は?|交通事故の後遺障害

交通事故で負った外傷の治療は、症状固定となって終了します。症状固定日は、自賠責保険の後遺障害認定や賠償金に大きな影響を与えます。

 

本記事は、誰が症状固定日を決めるのかや、症状固定日に納得できない時の対処法を理解するヒントとなるように作成しています。

 

 

最終更新日: 2024/6/12

 

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症状固定日は誰が決める?

症状固定とは

症状固定とは、これ以上治療を続けても症状が改善しなくなった状態です。症状固定と言うと、「治った」「痛みなどの症状が無い」状態というイメージを抱きがちですが、そうではありません。

 

いくら治療をしても、痛みやしびれなどの後遺症が改善しない状態が症状固定です。

 

 

医師が症状固定日を決めるケースが多い

一般的には、医師が症状固定日を決めるケースが多いです。一方、医師に症状固定日を決める権利はありません。

 

医師が症状固定日を決めるケースが多いのは、被害者の治療経過を客観的に判断できるのは主治医しか居ないためです。

 

 

症状固定日を決めるのは保険会社ではない

最終的に症状固定日の判断をするのは主治医ですが、保険会社から症状固定時期の打診がある事案が多いです。

 

具体的には、保険会社が主治医に対して病状や治療経過に関する照会状を送付して、症状固定時期の確認します。

 

保険会社からの照会状が送られてくると、主治医も症状固定の時期を意識し始めます。

 

このため、保険会社が症状固定時期のキャスティングボードを握っていると言えなくはありません。

 

しかし、主治医がまだ症状固定に至っていないと判断すると、保険会社は主治医の意見を尊重するケースが多いです。

 

 

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症状固定日の決め方

医師が被害者の了承を得て症状固定日を決める

前述のように、症状固定とは治療しても症状が改善しなくなった状態です。このため、一生懸命治療しているにもかかわらず、症状が変化しなくなると症状固定を考え始めます。

 

実務的には、主治医が「次回受診日で症状固定しましょう」「今日で症状固定しましょう」などと打診して、被害者の了承を得たうえで症状固定日とするケースが多いです。

 

 

被害者と保険会社が合意して決める

一方、被害者と保険会社の間で合意に至って、事後報告的に主治医に症状固定日が告げられるケースも多いです。

 

この場合、主治医としては異論の無いケースが多いため、そのまま症状固定日が決定する流れになります。

 

 

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医師の症状固定日に納得できない場合は?

医師に症状を正確に伝えているかを確認する

医師は極めて多忙です。このため、症状がうまく医師に伝わっていない可能性があります。医師に症状を正確に伝えるためには、3つのポイントがあります。詳細は、以下のサイトを参照してください。

 

 

<参考>
【医師が解説】むちうち症状の伝え方3つのポイント|交通事故

 

 

適切な診療科であるかを確認する

適切な診療科で治療を受けているのかを確認しましょう。例えば、外科でむちうちの治療を受けている事案を散見します。

 

しかし、外科は腹部が専門領域なので、背骨や手足の外傷の治療は得意ではありません。

 

むちうちなどの背骨の傷病や、手足のケガの場合には、整形外科で治療をすることを強く推奨します。

 

 

<参考>
【医師が解説】外科と整形外科の違いは?後遺障害はどちらが有利?

 

 

病院を変更するのも一法

症状が改善してきているにもかかわらず症状固定と言われたら、病院を変えてみるのも一法かもしれません。

 

もちろん、初診から症状固定まで同じ医療機関で治療することがベストです。検査や治療経過が分かるメリットは大きいからです。

 

しかし、外科などの専門科でない事案も散見することから、治療に納得できないのであれば、医療機関を変えてみるのも選択肢のひとつです。

 

 

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【弁護士必見】後遺障害認定のポイント

症状固定の定義を理解していない医師が多い

医師の多くは、症状固定の定義を理解していないことに注意が必要です。交通事故を多数取り扱っている整形外科医と言えども、正確に症状固定を理解している人は少数派です。

 

 

医師に症状固定の定義を説明するのも一法

医師の症状固定日に納得できない事案では、主治医に対して弁護士名で照会状を送付するのも一法です。

 

照会状で症状固定の定義を説明して、本当に被害者が症状固定時期に至っているのかについて、主治医に再考を促します。

 

 

いつまで経っても症状固定しない医師への対処法

一方、いつまで経っても症状固定しない医師も一定数存在します。その理由は「症状固定=治療が不要になった状態」と思っているからです。

 

このようなケースでも照会状を提出して、症状固定時期に至っているのかについて、主治医に再考を促しましょう。

 

 

<参考>
【日経メディカル】不本意な症状固定を防ぐ2つのポイント

 

 

 

nikkei medical

 

 

まとめ

 

症状固定日を決めるのは保険会社ではなく、医師がであることが多いです。症状固定日の決め方には、以下の2つのパターンがあります。

 

  • 医師が被害者の了承を得て症状固定日を決める
  • 被害者と保険会社が合意して決めた症状固定日を医師が追認する

 

 

医師の症状固定日に納得できない場合は、以下の3つの方法を検討しましょう。

 

  • 医師に症状を正確に伝えているかを確認する
  • 適切な診療科であるかを確認する
  • 病院を変更する

 

 

症状固定日でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。

 

 

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