膝関節の半月板損傷は、スポーツをしている時に受傷するケースが多いものの、交通事故でもしばしば発生する外傷です。
半月板損傷と言えば「膝が痛い」を思い浮かべますが、その他にもいろいろな症状があります。
本記事では、半月板損傷の症状を自分でチェックするポイントと、初期症状はどのようなものかを解説しています。
最終更新日: 2026/2/19
Table of Contents
半月板損傷とは
半月板は、大腿骨と脛骨の間にある「半月のような形」をした組織です。膝関節の安定化と衝撃を吸収するクッションの役割を果たします。
半月板損傷は、スポーツ時などに膝を激しく捻じったり、大きな外力が加わることで受傷します。
しかし、加齢に伴って半月板の強度が低下すると、小さな外力でも半月板損傷をきたすことがあります。
また、膝関節にかかる衝撃を吸収する機能が失われると、膝関節に大きなストレスがかかります。
その結果、関節軟骨のすり減りが早まり、変形性膝関節症の発症リスクが大きくなります。
交通事故での半月板損傷の受傷機序
バイクや自転車事故での受傷機転
交通事故では、バイクや自転車乗車中の事故と、自動車に乗っている際の衝突事故では受傷機転が異なります。
まず、バイクや自転車乗車中の事故では、転倒しそうになって踏ん張ることで、半月板損傷を受傷するケースが多いです。
自動車事故での受傷機転
自動車乗車中の追突事故では、フットレストやフロアに対して足を踏ん張ることで、半月板損傷を受傷するケースがあります。
半月板損傷の初期症状は?
動作時の膝関節痛や、膝関節の曲げ伸ばした時の引っ掛かり感、関節が腫れるなどが、半月板損傷の代表的な症状です。
半月板の断裂部が大きいケースでは、断裂した半月板が大腿骨と脛骨に挟まって膝が動かせなくなる状態(ロッキング)に陥ることもあります。

半月板損傷の症状チェックをしよう!
以下のような自覚症状があると、半月板損傷である可能性があります。
- 歩くときや階段昇降時の膝の痛み
- 膝の引っかかり感
- 膝を曲げ伸ばししづらい
- 膝が腫れている
- 膝に熱感がある
- 何かが挟まって膝が急に動かなくなる
半月板損傷で考えられる後遺障害
交通事故で半月板損傷を受傷した場合、後遺障害に認定される可能性のある症状は、痛み(神経障害)と膝の可動域制限(機能障害)です。
神経障害(膝の痛み)
等級 | 認定基準 |
12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
14級9号 | 局部に神経症状を残すもの |
12級13号:局部に頑固な神経症状を残すもの
半月板損傷で後遺障害12級13号に認定される可能性があるのは以下のようなケースです。
- MRI検査や関節鏡検査で、痛みの原因となるタイプの半月板損傷を認める
- 半月板切除術が施行されたために、半月板が著しく小さくなっている
14級9号:局部に神経症状を残すもの
半月板損傷で後遺障害14級9号に認定される可能性があるのは以下のようなケースです。
- MRI検査や関節鏡検査で、新鮮な半月板損傷の所見を認める
- 半月板縫合術後にも、MRI検査で半月板の形状変化や信号変化を確認できる
機能障害(膝関節の可動域制限)
等級 | 認定基準 |
8級7号 | 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの |
10級11号 | 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの |
12級7号 | 1下肢の3大関節の1関節の機能に障害を残すもの |
12級7号:一下肢の三大関節の一関節の機能に障害を残すもの
半月板損傷は可動域制限の原因となるので、認定される可能性があります。しかし一般的に、半月板損傷は大きな可動域制限を伴いません。
膝関節の機能障害で後遺障害が認定されるには、半月板損傷が治療されていないなどの特殊な事案に限られます。
現実的には、適切な治療を受けた半月板損傷では、機能障害が後遺障害に認定される可能性は極めて低いでしょう。
【弁護士必見】半月板損傷の後遺障害認定ポイント
半月板損傷が等級認定される3つのポイント
半月板損傷が後遺障害に認定される確率を上げるためには、以下の3つのポイントを満たす必要があります。
- 定期的な通院歴や手術歴がある
- 受傷機序、事故規模、MRI検査で、事故との因果関係を証明できる
- MRI検査で痛みを引き起こす損傷形態の画像所見がある

中高年では事故との因果関係を否定されやすい
40歳以降になると、加齢に伴って半月板が変性して弱くなっているケースが多いです。
自賠責保険はその点を理解しているので、中高年の被害者では、事故との因果関係を否定される事案が多いです。
特に、MRI検査での内側半月板後節の水平断裂は、加齢に伴う半月板の変性所見だと言われています。
半月板後節水平断裂の12級13号認定事案
内側半月板後節の水平断裂は、加齢に伴う半月板の変性所見です。このため、半月板の水平断裂では、後遺障害が認定される可能性は低いです。
しかし、弊社の経験では、医師意見書で異議申し立てしたところ、中高年の半月板後節の水平断裂で12級13号が認定された事案も存在します。
内側半月板後節の水平断裂であっても、12級13号に認定される可能性は全くのゼロではなさそうです。
少なくとも、14級9号の自賠責認定基準を満たす事案であれば、異議申し立てする価値はあると考えます。
<参考>
【日経メディカル】半月板損傷と交通事故の不都合な真実
【12級13号】半月板損傷の後遺障害認定事例
事案サマリー(50代女性)
- 受傷機序:バイク走行中に対向車との接触して、転倒をこらえるため足を踏ん張って受傷
- 自覚症状:右膝内側の疼痛(立ちしゃがみ動作で増強)
- 身体所見:McMurray test陽性、関節水腫あり、可動域制限なし
初回審査は非該当でしたが、医師意見書を添付して異議申し立てしたところ、12級13号が認定されました。
弊社の取り組み
画像所見および関節鏡所見
- 受傷直後のMRI検査で内側半月板中節〜後節に信号変化あり
- 関節鏡手術で同部の損傷を認め、半月板切除術+半月板縫合術を施行
- 術後MRI検査では内側半月板の形態変化(サイズの縮小)と信号変化あり


医師意見書の効果
自賠責保険の見解は「事故による骨折や脱臼等の明らかな外傷性の異常所見は認められず、他覚的に障害が証明されない」でした。
医師意見書において以下の主張した結果、異議申し立てで12級13号の後遺障害が認定されました。
- 交通事故後より症状が出現したという診療録記載を引用
- 受傷直後および手術後の画像所見の提示
- 関節鏡手術記録を提示して事故との因果関係や症状を医学的に説明
医師意見書での主張内容と各種検査所見の医学的整合性が評価されたことが認定要因と考えています。
半月板損傷の後遺障害認定で弊社ができること
弁護士の方へ
弊社では、交通事故で残った半月板損傷の後遺症が後遺障害に等級認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。
等級スクリーニング®
現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。
等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的データ量をベースにしています。整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。
等級スクリーニング®の有用性を実感いただくため、初回事務所様は無料で承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。
<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

医師意見書
医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。
医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した専門医が作成します。作成前に検討項目を共有して、クライアントと意見書の内容を擦り合わせます。
必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックで、意見書の質を担保しています。
弊社は、数千におよぶ医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例があります。是非、弊社の医師意見書の品質をお確かめください。
<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
画像鑑定報告書
事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。
画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの画像検査や資料を精査して、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。
画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。
弊社では、事案の分析から画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。
<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
半月板損傷の後遺障害認定でお悩みの被害者の方へ
弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。
また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。
もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。
尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。
弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解のほどお願いいたします。

半月板損傷で後遺障害に認定されると損害賠償金を請求できる
半月板損傷で後遺障害に認定されると、後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益を請求できます。
後遺障害慰謝料とは
交通事故で後遺障害が残ってしまった精神的苦痛に対する補償金です。後遺障害慰謝料は、下の表のように後遺障害等級によって異なります。
後遺障害等級 | 後遺障害慰謝料 |
1級 | 2800万円 |
2級 | 2370万円 |
3級 | 1990万円 |
4級 | 1670万円 |
5級 | 1400万円 |
6級 | 1180万円 |
7級 | 1000万円 |
8級 | 830万円 |
9級 | 690万円 |
10級 | 550万円 |
11級 | 420万円 |
12級 | 290万円 |
13級 | 180万円 |
14級 | 110万円 |
半月板損傷の後遺障害慰謝料の相場は?
半月板損傷の後遺障害慰謝料の相場は、損傷の程度や後遺症の種類によって異なります。
可動域制限による機能障害では12級7号に、神経症状では12級13号や14級9号に認定される可能性があります。
慰謝料の相場は、可動域制限では290万円、神経症状では110万円〜290万円です。
後遺障害逸失利益とは
後遺障害が残ると、労働能力が低下してしまいます。労働能力が低下したために失うであろう収入の不足分に対する補償金です。
後遺障害逸失利益は、交通事故被害者の年収、年齢をベースにして、後遺障害等級に応じた労働能力喪失率と労働能力喪失期間で決まります。
後遺障害逸失利益の計算式
後遺障害逸失利益は、以下の計算式で算出されます。
基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数
半月板損傷の後遺障害逸失利益の相場は?
半月板損傷による後遺障害の逸失利益の相場は、損傷の程度や影響、職種、年齢などによって異なるため、詳細な金額提示は難しいです。
非常にざっくりした数字で言うと、軽度の損傷であれば数十万円から、重度の損傷であれば数百万円に達する可能性もあります。
半月板損傷の症状チェック法でよくある質問
半月板損傷かどうか自分でチェックできますか?
膝の曲げ伸ばしで痛みや引っかかり感がある、正座やしゃがみ込みで強い痛みが出る、膝に水がたまるといった症状があれば疑います。
ただし自己判断には限界があります。確定診断には、整形外科専門医による診察やMRI検査が必要です。
どんな痛み方が特徴ですか?
膝の内側または外側の一点がズキッと痛むのが特徴です。階段の昇降や方向転換時に痛みが強く出ることが多いです。
ロッキングとは何ですか?
膝が急に動かなくなり、曲げ伸ばしが途中で止まる状態をロッキングといいます。損傷した半月板が関節内に挟まることで起こります。
押すと痛い場所はどこですか?
膝のお皿の下あたり、関節のすき間を押すと痛みが出やすいです。内側か外側のどちらに痛みがあるかで、損傷部位の推定が可能です。
腫れは必ず出ますか?
必ずしも腫れるとは限りませんが、損傷直後や運動後に関節液が増えて膝が腫れることがあります。
音が鳴るのは半月板損傷ですか?
膝の曲げ伸ばしでコキッと音が鳴るだけでは判断できません。痛みや引っかかり感を伴う場合は注意が必要です。無症状の音は異常と限りません。
歩ければ重症ではないですか?
歩けるからといって軽症とは限りません。小さな断裂でも放置すると拡大することがあります。症状が続く場合は早めの検査が重要です。
スポーツ中のどんな動作が原因になりますか?
急な方向転換、ジャンプの着地、膝をひねる動作が典型的です。サッカーやバスケットボールなど回旋動作の多い競技で発生しやすいです。
加齢でも起こりますか?
はい、加齢により半月板が変性して、軽い動作でも断裂することがあります。中高年では外傷がなくても痛みが出るケースが少なくありません。
病院ではどんなチェックをしますか?
医師が膝を曲げ伸ばししながら痛みやクリック音を確認する徒手検査を行います。必要に応じてMRIで断裂の有無や程度を詳しく評価します。
半月板損傷の診断
身体所見
医師が外来で行う徒手検査として、McMurray test、Watson-Jones test、Apley’s testなどが挙げられます。
MRI検査
半月板損傷を診断するために、最も有効性の高い検査はMRI検査です。しかし、その診断率は80~90%にとどまります。
症例によっては、関節鏡検査を施行して、ようやく半月板損傷が判明することもあります。
半月板損傷の保存治療は?
軽い半月板損傷は、筋力トレーニングを行い膝関節にかかる負担を減らします。また、痛み止めの内服やヒアルロン酸の関節注射で治療します。
半月板損傷の手術治療は?
保存的治療では膝関節の症状が残ってしまい、日常生活、仕事、スポーツに支障をきたすケースは、関節鏡視下手術の適応となります。
最近では、できるだけ半月板の機能を温存するため、半月板縫合術が一般的になっています。
しかし、半月板損傷が比較的小さかったり、逆にひどい半月板損傷で修復が困難であれば、半月板切除術が選択されます。
半月板損傷は全治何ヶ月?
半月板の断裂形態や範囲によっても異なりますが、おおむね以下のケースが多いです。
- 半月板切除術:約3ヵ月
- 半月板縫合術:約6ヵ月
半月板縫合術で約6ヵ月かかる理由は、半月板を縫合してからしばらくの間は、膝にかかる負担を減らすために免荷が必要だからです。
まとめ
半月板損傷の症状チェックでは、以下のような自覚症状があるかを確認します。
- 歩くときや階段昇降時の膝の痛み
- 膝の引っかかり感
- 膝を曲げ伸ばししづらい
- 膝が腫れている
- 膝に熱感がある
- 何かが挟まって膝が急に動かなくなる
交通事故で半月板損傷を受傷した場合、後遺障害に認定される可能性のある症状は、痛み(神経障害)と膝の可動域制限(機能障害)です。
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