交通事故で打撲した際にお世話になるのは湿布です。湿布にはさまざまな銘柄がありますが、最も有名なのはロキソニン湿布でしょう。
本記事は、湿布の種類、貼る時間、効果時間、貼ってはいけない場所について、整形外科専門医が説明しています。
最終更新日: 2024/5/13
Table of Contents
湿布とは
湿布とは、炎症を抑える薬剤を布地に塗ったものです。主に、打撲して痛みや腫れのある場所に貼ります。
湿布の種類
テープ剤
テープ剤は、薄くて伸縮性がある布地に炎症を抑える薬剤を塗っています。テープ剤は粘着性が強く剥がれにくいため、膝などの関節部分への使用に適しています。
パップ剤
パップ剤は、布地に水分を含む軟膏が塗布されているため、厚みがあります。パップ剤は粘着性が弱いため、皮膚刺激が弱いです。また、保湿効果もあるためテープ剤よりかぶれにくいです。
湿布の効果時間
湿布は薬の作効果時間によって、1日1回タイプと1日2回タイプに分けられます。
1日1回タイプ
1日1回タイプは24時間貼ることを前提にしています。しかし実際には、8~10時間で湿布に含まれている有効成分の多くが、皮膚から吸収されます。
皮膚のかぶれを予防するためにも、8~10時間で湿布を剥がして、湿布を貼った部分の皮膚呼吸を促進するべきでしょう。
代表的な湿布は以下のとおりです。
- ロキソニンテープ
- ロキソニンパップ
- モーラステープ
- モーラスパップXR
- ボルタレンテープ
- ロコアテープ
1日2回タイプ
1日2回タイプは12時間貼ることを前提にしています。しかし実際には、4~6時間で湿布に含まれている有効成分の多くが、皮膚から吸収されます。
皮膚のかぶれを予防するためにも、4~6時間で湿布を剥がして、湿布を貼った部分の皮膚呼吸を促進するべきでしょう。
代表的な湿布は以下のとおりです。
- モーラスパップ
- セルタッチパップ
- セルタッチテープ
湿布を貼ってはいけない場所
湿布を貼ってはいけない場所は以下のとおりです。
- 目の周囲
- 粘膜
- 湿疹のある場所
- かぶれている場所
- 傷口
これらの部位に湿布を貼ると、症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなるので注意が必要です。
湿布に関する疑問あれこれ
冷湿布と温湿布の違い
一般的に使われているのは冷湿布です。貼ると冷たい感じがしますが、実際に患部を冷やしているわけではありません。
一方、温湿布は、とうがらしの成分が含まれているため、貼ると暖かい感じがします。とうがらしの成分のために局所の血流が良くなります。
しかし、温湿布はとうがらしの成分が含まれているため刺激が強いです。このため、皮膚の弱い人は避けた方が無難でしょう。
おすすめの湿布は?
貼る場所や目的によって、おすすめの湿布は異なります。腰痛などで慢性的に続いている痛みであれば、温湿布がおすすめです。
一方、膝や肘などのよく動く関節に貼る場合には、粘着力が強くて剝がれにくいテープ剤がおすすめです。
具体的におすすめの銘柄は、やはりロキソニンテープです。モーラステープも悪くないですが、日光過敏症という皮膚トラブルを併発することがあります。
一方、湿布の臭いが気になる方には、無臭のセルタッチテープやセルタッチパップがおすすめです。
湿布を貼る時間はいつが良いのか?
湿布はいつ貼っても問題ありません。一般的には入浴後に貼ることが推奨されていますが、入浴中に剥がれないようにする程度の意味合いしかありません。
湿布を寝るときに貼ってもよいのか?
湿布は寝るときに貼っても問題ありません。ただし、1日2回タイプの湿布では、剥がし忘れに注意しましょう。
湿布を骨折部に貼ってもよいのか?
骨折部に貼ることはおすすめできません。その理由は、骨折によって軟部組織が極度に腫れるため、湿布を貼ると皮膚トラブルが発生しやすくなるからです。
さらに、湿布を骨折部から剥がす時の痛みは尋常ではありません。湿布を貼っても骨折は治らないので、骨折部には湿布を貼らない方が良いでしょう。
まとめ
湿布には、テープ剤とパップ剤があります。テープ剤は粘着性が強いので関節への使用に適しています。一方、パップ剤は粘着性が弱く、保湿効果もあるためテープ剤よりかぶれにくいです。
湿布は薬の作効果時間によって、1日1回タイプと1日2回タイプに分けられます。1日1回タイプは8~10時間、1日2回タイプは4~6時間で湿布に含まれている有効成分の多くが皮膚から吸収されます。
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