脊柱変形障害の労働能力喪失率は後弯変形に規定される

投稿日:2021年1月16日 更新日:

交通事故による脊椎骨折では、脊柱変形の程度によって11級、8級、6級の3段階の後遺障害等級があります。等級認定基準は明示されているので、プロットの採り方で等級が変化する問題点はあるものの、全体からみると大きな差異はありません。

 

しかし、労働能力喪失率に関しては、議論のあるところだと感じています。労働能力喪失率は後遺障害等級によって規定されていますが、全例に杓子定規に当てはめる是非が争点になりがちです。弊社でも、このような脊柱変形で労働能力喪失率が争点となっている事案が、原告・被告の双方から頻回に相談されます。

 

このような場合、原則に立ち返って労働能力喪失率の是非を判断することにしています。脊柱変形で労働能力が喪失してしまう原因となるのは、脊柱アライメントの後弯変形によることがほとんどです。脊柱アライメントが後弯になると、①隣接椎間障害による疼痛 ②隣接椎間障害によるOA進行 ③後弯変形による筋使用による易疲労性 が問題となります。

 

よく、被告側から「脊柱が変形しただけでは労働能力が喪失するわけではない」という主張がなされますが、これは実臨床を無視した意見だと考えています。一方、後弯変形をきたしていない軸椎前縁の骨折などでは、実際には労働能力喪失がみとめられないため、11級であっても20%の労働能力喪失率は過大な主張だと考えられます。

 

このように、実際の労働能力喪失率を考慮するうえでは、脊柱の後弯変形がどの程度残存しているのかがポイントになるケースが多いと考えています。

 

 

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