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【医師が解説】鎖骨骨折のプレート固定はシビレが必発

交通事故で鎖骨骨折を受傷して手術を受けた方は多いと思います。鎖骨骨折に対する手術にはいくつか種類がありますが、その代表的なものはプレートによる固定です。

 

プレートは鎖骨を強固に固定できるメリットがありますが、創周囲のしびれが必発するデメリットもあります。

 

本記事は、鎖骨骨折のプレート固定術で後遺障害等級が認定されるヒントとなるように作っています。

 

 

最終更新日: 2024/5/13

 

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鎖骨骨折の手術療法

 
clavicle fracture
 

鎖骨骨幹部骨折は偽関節になると厄介な骨折です。このため、大きく転位した骨折や、第3骨片を伴う骨折では、手術治療を選択することも多いです。

 

しかし、鎖骨骨幹部骨折では決定打となる術式がありません。鎖骨骨幹部骨折の手術には、主に下記のような2つの術式があります。
 

  1. K-wireを用いた経皮的骨接合術
  2. プレート固定術

 

① K-wireを用いた経皮的骨接合術は低侵襲ではあるものの、固定性がイマイチなので刺入部からK-wireが抜けてきます。

 

骨癒合が速いか、K-wireが抜けてくるのが速いかの競争になるので、主治医的にはあまり気持ちの良い術式ではありません。

 

このため一般的には、② プレート固定術で鎖骨を強固に固定する手術法を選択することが多いです。

 

 

鎖骨骨折のプレート固定術

 
プレート固定術はチタン製のプレートを用いて鎖骨をがっちり固定するので固定性は良好です。しかし問題点としては創周囲のしびれ、および筋萎縮が挙げられます。

 

創周囲にしびれが残るのは、アプローチの関係で鎖骨上神経という皮神経を必ず損傷するからです。このしびれはなかなか改善しないため、整形外科医の目線ではいわゆる後遺障害に該当すると考えています。

 

もし、鎖骨骨折に対するプレート固定を施行した事案で非該当になってしまったら、鎖骨上神経損傷によるしびれを主張して14級9号を認定してもえるように異議申立てするべきだと思います。
 

 

clavicle fracture

 

 

鎖骨骨折のプレートを抜去しないデメリット

 
上肢のプレートに関しては、荷重のかかる下肢と比較して抜釘しないデメリットは大きくありません。しかし鎖骨骨折のプレートは例外です。

 

その理由は、鎖骨骨折のプレートを抜釘しないと、疼痛の原因となる可能性があるからです。プレートを抜釘しないために疼痛が残る要因は2つあります。

 

ひとつ目は、鎖骨は皮膚の直下にあるので、物理的に皮膚がすれて痛みや違和感が残りやすいことです。

 

ふたつ目は、鎖骨遠位端骨折のクラビクルフックプレートを使用したときに顕著なのですが、プレートのフック部分が肩峰に引っかかって、痛みや肩関節の可動域制限の原因となることです。

 

このため、鎖骨遠位端骨折のクラビクルフックプレート手術を施行した事案では、14級9号の神経障害や12級6号の肩関節機能障害が認定される事案が多いです。

 

鎖骨骨折に対してプレート固定術を施行した事案でお困りがあればこちらからお問い合わせください。

 

 

 

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