医師サイドからみた自賠責診療

投稿日:2016年11月26日 更新日:

 

最近、交通事故の自賠責治療で、いろいろトラブルが発生するようになってきました。法律事務所の顧問業務を行っているカラーバス効果もあるのかもしれませんが、やはり弁護士特約が付いている任意保険の加入者が多くなったことが原因だと思います。

 

特に最近では、法律事務所が交通事故無料相談などの広告を打っているため、弁護士の先生に相談しやすくなっていることを実感します。結構な割合で法律事務所からの問い合わせの対応を行っています。

 

同じような内容の質問事項が多く、障害の本質とは異なる視点での質問が多いので、専門医の立場からは首をかしげざるを得ないケースが多いです。よく勉強されているとは言え、やはり日々臨床に向き合っている専門医とは視点がずれているのでしょう。

 

痛みや障害の本質を捉えていない質問を延々とされるので、心の中では「そこではなくこちらを問題にするべきなのに」と思いながらも、敢えて指摘すると藪蛇になるので、質問にのみ答えてしまっていることも多いです。

 

このあたりの連携ができれば、後遺障害診断も被害者に資するところが大きいと思います。しかし、超多忙な日常業務の中で、ボランティアでそこまで行う医師はあまり居ないのが現状です。

 

あと、患者さんの代理人として弁護士の先生や認定司法書士が登場するケースもありますが、行政書士のケースでは弁護士法違反なので、基本的にはお断りするようにしています。

 

任意保険の弁護士特約の普及で、医師サイドの自賠責治療にも変化の波が押し寄せています。今までは損害保険会社の力が圧倒的に強かったために、無茶な後遺障害等級認定がまかり通っていたという事実があります。

 

私の考えでは、現在の自賠責治療の変化はその揺り戻しが起こっているに過ぎず、今まで被害者:損害保険会社=1:9ぐらいだったのが、3:7ぐらいになってきた感覚かなと考えています。

 

私個人の気持ちは患者(=被害者)サイドにあるので、被害者や弁護士の先生と協議しながら、無難な落としどころを探る診療を進めています。

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