交通事故でむちうち(頸椎捻挫)を負い、痛みやしびれが残っているのに、後遺障害認定が非該当とされてしまうケースは少なくありません。
特に、むちうちは画像検査で異常が映りにくく、通院状況や症状の一貫性、医師の記載内容などで評価されるため、非該当になりやすいです。
実際、事故の衝撃が小さい、通院回数が足りない、症状固定前までの期間が短い…といった点が原因で、非該当になる例も多く見られます。
本記事では、むちうちが後遺障害に認定されない理由を整理して、対処法、必要な医証の集め方、異議申し立てのポイントを解説しています。
最終更新日: 2025/12/4
Table of Contents
- 1 むちうち(頸椎捻挫)の後遺障害が非該当になる6つの理由
- 2 むちうちが後遺障害に認定されない場合の対処法は?
- 3 むちうちの後遺障害認定サポートで当社が提供できること
- 4 むちうち(頸椎捻挫)の後遺障害が非該当でよくある質問
- 4.1 症状が残っているのに非該当の場合、異議申し立てをすれば認められる可能性はありますか?
- 4.2 後遺障害等級(12級・14級)が認められやすいケースと認められにくいケースの違いは何ですか?
- 4.3 非該当から等級認定されるためには、どのような医療資料(画像・診断書・検査)が必要ですか?
- 4.4 MRIやレントゲンで異常がなくても、むちうちの後遺障害が認定されることはありますか?
- 4.5 事前認定と被害者請求、異議申し立てではどの方法が有利ですか?
- 4.6 異議申し立てに必要な追加資料や検査はどのようなものですか?
- 4.7 弁護士や後遺障害の専門医に依頼した方が、異議申し立ての成功率は上がりますか?
- 4.8 後遺障害診断書に医師が「画像所見に異常がない」と書いてしまった場合、修正できますか?
- 5 まとめ
- 6 関連ページ
- 7 資料・サンプルを無料ダウンロード
むちうち(頸椎捻挫)の後遺障害が非該当になる6つの理由
事故の規模が小さく後遺症が残る蓋然性がない
衝撃が軽微で、車体の損傷もバンパーの傷程度であるような「軽微事故」の場合、身体へのダメージも少ないと判断されやすいです。
工学的な鑑定や過去の判例に基づき、長期的な神経症状が残る医学的な蓋然性が低いとみなされて、非該当になるケースが多く見られます。
画像検査で客観的所見がない
むちうちの後遺障害認定では、MRIやレントゲン検査による「他覚的所見」が重視されます。
特に、上位等級(12級13号)では、画像検査で神経の圧迫や椎間板の異常が明確に確認できることが必須条件となります。
画像検査で異常所見が無い状態では、自覚症状があっても客観的な証明不足として非該当になりがちです。
医療機関への通院回数が少ない
医療機関への通院実績は、後遺症の強さや継続性を客観的に推し量る重要な指標です。
仕事が忙しいなどの理由で月に1〜2回程度しか通院していないと、「我慢できる程度の痛み」と判断されて、認定のハードルが上がります。
一般的には週2〜3回以上、継続的に整形外科へ通院している実績が、後遺障害認定には有利に働くとされています。

症状固定までの期間が6ヶ月に満たない
後遺障害とは「これ以上治療しても良くならない」と判断された時点(症状固定)で残存している症状を指します。
実務上、治療期間が6ヶ月未満で症状固定とした場合、「治療期間が不十分で、まだ回復の余地がある」とみなされて非該当になりやすいです。
症状に常時性や一貫性がない
後遺障害として認定される痛みやしびれは、事故直後から症状固定時まで「連続」して、かつ「一貫」している必要があります。
「雨の日だけ痛い」「日によって痛む場所が変わる」といった症状は、事故との因果関係が疑われて、後遺障害の要件を満たさないと判断されます。
後遺障害診断書の記載不備
医師が作成する「後遺障害診断書」の内容は、後遺障害認定審査の決定打となります。
審査側は書類のみで判断するため、自覚症状の記載が漏れていたり、他覚的所見の欄に「異常なし」と書かれると非該当となります。
医師は治療の専門家ですが、後遺障害認定の専門家ではないため、後遺障害認定に必要な表現が欠けてしまうことも珍しくありません。
むちうちが後遺障害に認定されない場合の対処法は?
むちうちの後遺障害が非該当になった原因を調べる
まずは、なぜ後遺障害が「非該当」になったのか、その理由を正確に把握することが最優先です。
損害保険料率算出機構から届く「等級認定結果通知書」には、認定されなかった理由が記載されています。
「画像所見がない」「通院状況の問題」など、指摘されたポイントを分析して、それを覆すだけの材料があるかを検討する必要があります。
後遺障害認定基準を満たすための医証を集める
後遺障害認定の結果を覆すには、非該当になった理由に反論するための新たな医学的証拠(医証)が不可欠です。
実施していなかったMRI検査を撮像したり、後遺障害診断書の修正・追記、医師意見書や画像鑑定報告書などを取得することを検討します。
異議申し立てする
後遺障害認定結果に不服がある場合、自賠責保険に対して「異議申し立て」を行うことができます。
これは単に「痛いから再審査してほしい」と訴える手続きではなく、前回否定された理由を論理的・医学的に反証する手続きです。
新たな医証や資料を添付して、認定基準を満たしていることを論理的に主張すると、非該当から後遺障害認定を勝ち取れる可能性があります。
尚、むちうちが後遺障害認定されるポイントは、こちらのコラム記事で詳しく紹介しています。是非、参照していただきたいと思います。
<参考>
むちうち後遺症が首の痛みだけで後遺障害認定される?|交通事故の医療鑑定
むちうちの後遺障害認定サポートで当社が提供できること
弁護士向け専門サポート
弊社では、交通事故で受傷した、むちうち(頸椎捻挫)の後遺症が、後遺障害に認定されるために、さまざまなサービスを提供しております。
等級スクリーニング®
現在の状況で、後遺障害に認定されるために足りない要素を、後遺障害認定基準および医学的観点から、レポート形式でご報告するサービスです。
等級スクリーニング®は、年間1000事案の圧倒的なデータ量をベースにしています。また、整形外科や脳神経外科以外のマイナー科も実施可能です。
等級スクリーニング®の有用性を実感いただくために、初回事務所様は、無料で等級スクリーニング®を承っております。こちらからお気軽にご相談下さい。
<参考>
【等級スクリーニング®】後遺障害認定と対策を精査|医療鑑定

医師意見書
医師意見書では、診療録、画像検査、各種検査、後遺障害診断書などの事故関連資料をベースにして、総合的に後遺障害の蓋然性を主張します。
医師意見書は、後遺障害認定基準に精通した各科の専門医が作成します。医学意見書を作成する前に検討項目を共有して、クライアントと医学意見書の内容を擦り合わせます。
医学意見書では、必要に応じて医学文献を添付して、論理構成を補強します。弊社では、2名以上の専門医によるダブルチェックを行うことで、医学意見書の質を担保しています。
弊社は1000例を優に超える医師意見書を作成しており、多数の後遺障害認定事例を獲得しています。是非、弊社が作成した医師意見書の品質をお確かめください。
<参考>
交通事故の医師意見書が後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
画像鑑定報告書
事故で残った後遺症が、後遺障害で非該当になったら異議申し立てせざるを得ません。その際に強い味方になるのが画像鑑定報告書です。
画像鑑定報告書では、レントゲン、CT、MRIなどの各種画像検査や資料を精査したうえで、後遺障害診断書に記載されている症状との関連性を報告します。
画像鑑定報告書は、画像所見の有無が後遺障害認定に直結する事案では、大きな効果を発揮します。
弊社では事案の分析から医師意見書の作成、画像鑑定にいたるまで、社内の管理医師が一貫して取り組むことで、クライアント利益の最大化を図っています。
<参考>
【画像鑑定】交通事故の後遺障害認定で効果的な理由|異議申し立て
被害者への弁護士紹介サービス
弊社サービスのご利用をご希望であれば、現在ご担当いただいている弁護士を通してご依頼いただけますと幸いです。
また、弊社では交通事故業務に精通している全国の弁護士を紹介することができます。
もし、後遺障害認定で弁護士紹介を希望される被害者の方がいらっしゃれば、こちらのリンク先からお問い合わせください。
尚、弁護士紹介サービスは、あくまでもボランティアで行っています。このため、電話での弊社への問い合わせは、固くお断りしております。
弊社は、電話代行サービスを利用しているため、お電話いただいても弁護士紹介サービスをご提供できません。ご理解いただけますよう宜しくお願い申し上げます。

むちうち(頸椎捻挫)の後遺障害が非該当でよくある質問
症状が残っているのに非該当の場合、異議申し立てをすれば認められる可能性はありますか?
異議申し立てをすれば認められる可能性はあります。ただし、単に「再審査してください」と言うだけでは、後遺障害認定結果は変わりません。
非該当通知書で指摘された「非該当の理由」を分析して、それを覆す新しい医証(検査結果や医師意見書など)を提出できるかが鍵となります。
適切な追加資料があれば、自賠責保険の判断が覆り、14級などの後遺障害等級が認定されるケースも存在します。
後遺障害等級(12級・14級)が認められやすいケースと認められにくいケースの違いは何ですか?
大きな違いは、画像検査における他覚的所見の有無です。12級は、MRI検査で神経圧迫などの異常所見を明確に証明できる必要があります。
一方、14級は画像所見がなくても、治療経過や神経学的検査から症状の存在が「医学的に説明可能」であれば認定される可能性があります。
逆に、通院が極端に少ない、事故との因果関係が曖昧な場合は、どちらの後遺障害等級も認定されません。
非該当から等級認定されるためには、どのような医療資料(画像・診断書・検査)が必要ですか?
具体的には、より精度の高いMRI検査(1.5テスラ以上推奨)や神経学的検査(反射テストや知覚テスト)の結果が記載された診断書です。
また、「症状の一貫性と事故との因果関係」を詳述した、整形外科や脊椎外科専門医による医師意見書なども有効です。
MRIやレントゲンで異常がなくても、むちうちの後遺障害が認定されることはありますか?
画像検査の異常がなくても、事故状況や治療経過から「症状が医学的に説明できる」と判断されれば、14級9号に認定される可能性があります。
ただし、14級9号といえどもハードルは高く、通院実績や症状の一貫性、事故の規模などが総合的かつ厳格に審査されます。
事前認定と被害者請求、異議申し立てではどの方法が有利ですか?
資料を自分で精査して提出できる被害者請求での手続き、あるいは非該当後の異議申し立てにおいて被害者請求の形式をとる方法が有利です。
「事前認定」は相手方保険会社に手続きを任せるため手間は省けますが、後遺障害認定に向けた積極的な立証が難しい側面があります。
異議申し立てに必要な追加資料や検査はどのようなものですか?
初回申請時に不足していた情報を補う資料が必要です。新たな診断書やMRI検査、医師意見書や画像鑑定報告書を取得することを検討します。
また、未実施であれば、神経誘発テストなどの客観的検査の結果も有効な追加資料となります。
弁護士や後遺障害の専門医に依頼した方が、異議申し立ての成功率は上がりますか?
成功率は高まる傾向にあります。弁護士は認定基準に照らして、何が不足して非該当になったかを分析して、必要な資料を的確に特定できます。
また、後遺障害に詳しい整形外科や脊椎外科の専門医の協力を得ることで、説得力のある医師意見書や画像鑑定報告書を取得できます。
このため、個人で申し立てを行うよりも、審査側に症状の正当性を強く主張することが可能です。
後遺障害診断書に医師が「画像所見に異常がない」と書いてしまった場合、修正できますか?
一度作成された後遺障害診断書に対して、医師が後から修正することは原則として嫌がられる傾向にあります。
しかし、明白な事実誤認がある場合や、新たな検査で所見が見つかった場合には、修正や追記に応じてもらえることもあります。
後遺障害診断書の修正が難しい場合は、別途「診断書」という形で、画像所見についての補足説明を医師に作成してもらう方法が現実的です。
まとめ
むちうち(頸椎捻挫)が後遺障害として認定されないのは、事故規模が小さい、画像検査で異常が無いなどが主な理由です。
通院回数が少ない、治療期間が6ヶ月未満、症状に一貫性がないと非該当になりやすく、後遺障害診断書の記載不備も大きなマイナスになります。
非該当になったら認定結果の理由を確認して、追加検査や修正した後遺障害診断書など、必要な医証を集めて異議申し立てすることが重要です。
むちうち(頸椎捻挫)の後遺障害認定でお困りなら、こちらからお問い合わせください。初回の法律事務所様は無料で等級スクリーニングを承ります。
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