交通事故でケガをしたら、まず病院などの医療機関に行って警察に提出する診断書をもらいます。
しかし、交通事故に遭って最初にもらう診断書なので、その記載内容について不安に思う方も少なくないでしょう。
本記事は、交通事故の際に発行される警察用診断書の記載内容を理解するヒントとなるように作成しています。
最終更新日: 2024/5/13
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交通事故で必要な診断書には3種類ある
交通事故で医療機関からもらう診断書には以下の3つが挙げられます。
- 警察用の診断書
- 自賠責様式の診断書
- 後遺障害診断書
いずれの診断書も、交通事故で必須のものばかりです。この3種類のうち、警察用の診断書だけは医療機関所定の診断書です。
警察用の診断書
警察用の診断書は病院所定の診断書
交通事故に遭ったら、まず医療機関を受診して診断書を作成してもらいましょう。この際の診断書は医療機関所定の診断書なので、交通事故被害者が準備する必要はありません。
警察用の診断書は人身事故に必須
医療機関で作成してもらった診断書を、警察署に行って提出しましょう。これによって、交通事故が人身事故として扱われる可能性が高まります。
人身事故と物損事故では、警察の対応が異なります。その違いの一つは、実況見分調書が作成されるかどうかです。
診断書を提出しないと、実況見分調書が作成されず、適正な損害賠償を受け取る機会を失う可能性があります。
警察用の診断書の記載内容
交通事故とケガの因果関係を証明するためにも、事故に遭ったらできるだけ早く診断書を提出しましょう。診断書には以下の情報が記載されます。
- 傷病名
- 治療を要する日数の見込み
初診の段階では、事故によるケガの状況がまだ明らかになっていないため、それほど詳細な内容の診断書を作成できません。
診断書の「加療を要する見込みである」期間は重要なのか
警察が治療見込み期間の記載を求める
警察に提出する診断書に、治療期間見込みが記載される理由は、医師に対して警察が治療見込み期間の記載を求めるからです。
私の経験からも、うっかり治療見込み期間の記載を忘れると、必ず警察から問い合わせがありました。警察から何度か問い合わせがあると、必ず治療見込み期間を記載するようになります。
警察が治療見込み期間の記載を医師に求めるのは、道路交通法において交通事故に関連する違反行為に対する違反点数が、治療期間に応じて変化するからです。
1週間の安静加療見込みなら1週間で治療は終りなのか?
警察用の診断書には、全治1週間といった具体的な期間が記載されます。このような記載を見ると、1週間で治療は終りなのかという疑問が湧きますね。
しかし、この記載はあくまで一つの参考情報であり、治療期間を制限するものではありません。診断書の治療見込み期間と実際の治療期間は異なるケースが多いです。
警察用の診断書に書かれた期間に縛られる必要はなく、必要に応じて治療を受けましょう。一般的には、相手方の損害保険会社も実際の治療に基づいて損害賠償してくれます。
医師が短めの治療見込み期間を記載する理由
一般的に、医師は交通事故で警察用の診断書の治療見込み期間を、実際よりも短めに記載する傾向にあります。
その理由は、診断書に記載する治療見込み期間が長くなるほど加害者の違反点数が高くなり、免停などの処分が科される可能性が高まるからです。
実際の治療期間は治療見込み期間より長いケースが多い
前述の理由で、医師は交通事故で警察用の診断書の治療見込み期間を、実際よりも短めに記載する傾向にあります。
実際の治療期間は、治療見込み期間よりも長いケースが多いです。警察用の診断書に短めの治療見込み期間が記載されていても、大きな問題にはならないのでご安心ください。
まとめ
警察用の診断書に記載される治療見込み期間は、実際の治療期間よりも短めに記載されるケースが多いです。その理由は、治療見込み期間が加害者の行政処分に影響を及ぼさないように、医師が配慮しているからです。
治療見込み期間はあくまで一つの参考情報であり、治療期間を制限するものではありません。診断書の治療見込み期間と実際の治療期間は異なるケースが多いので、実際の症状に応じて治療を受けましょう。
交通事故でお困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。尚、一般の方は、必ず弁護士を通してお問い合わせ下さい。
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