C型肝炎給付金訴訟したものの敗訴してしまった方や、これから訴訟を考えている方にとって、給付金の対象外となる条件や理由を知ることは非常に重要です。
本記事では、C型肝炎給付金が対象外となる具体的な条件や理由について詳しく解説します。また、訴訟が敗訴した場合の対処方法についても触れています。
最終更新日： 2024/12/27
Table of Contents
C型肝炎給付金の概要
C型肝炎給付金が設けられた背景
C型肝炎給付金は、特定のフィブリノゲン製剤や血液凝固第IX因子製剤の投与によりC型肝炎ウイルスに感染した被害者を救済するため、2008年に制定された特別措置法に基づいて設けられました。
これらの製剤は、出産や手術時の大量出血の際に使用されていましたが、ウイルス不活化処理が不十分であったため、感染被害が発生しました。
C型肝炎給付金の対象者は？
給付金の対象者は、特定のフィブリノゲン製剤や血液凝固第IX因子製剤の投与によりC型肝炎ウイルスに感染した方、またはその相続人です。
＜参考＞
【厚生労働省】C型肝炎特別措置法に基づく給付金の請求について
C型肝炎でもらえるお金はいくらですか？
給付金の額は、症状に応じて以下のように定められています。
- 肝がん・肝硬変、死亡（劇症肝炎等を含む）：4,000万円
- 慢性肝炎：2,000万円
- 無症候性キャリア：1,200万円
また、給付金の支給後20年以内に症状が進行した場合、差額を追加給付金として支給されます。
C型肝炎給付金をもらうには訴訟提起が必要
給付金を受け取るためには、国を被告とした訴訟を提起し、裁判手続きの中で給付対象者であることを確認する必要があります。
その後、判決や和解などの証明資料とともに、独立行政法人医薬品医療機器総合機構（PMDA）に請求を行います。請求期限は2028年1月17日までとされています。
＜参考＞
【厚生労働省】Ｃ型肝炎ウイルス検査受診の呼びかけ（フィブリノゲン製剤納入先医療機関名の再公表について）
C型肝炎給付金の対象外になる条件
輸血が感染経路
C型肝炎給付金の対象は、特定の血液製剤（フィブリノゲン製剤や血液凝固第IX因子製剤）の投与による感染者に限定されています。
そのため、輸血が原因でC型肝炎ウイルスに感染した場合は、給付金の対象外となります。
注射針の使い回しが感染経路
1988年（昭和63年）まで、予防接種やツベルクリン反応検査で、注射針の使い回しが広く行われていました。
注射針の使い回しでC型肝炎に罹患した人もいますが、特定の血液製剤以外の医療行為なので、給付金の対象外となります。
感染理由が自己責任と判断されるケース
薬物乱用など、自己責任と判断される行為が原因で感染した場合も、給付金の対象外となります。給付金制度は、特定の血液製剤に起因する感染被害者を救済することを目的としています。
C型肝炎給付金訴訟で敗訴した場合の対処方法
C型肝炎訴訟で感染のカルテなしで和解した人はいる？
医療機関のカルテがない場合でも、当時の主治医の証言や医師意見書などの証拠を提出することで、和解に至ったケースがあります。カルテがなくても、他の証拠や証言を集めることが重要です。
特定製剤が投与された病院の診断書を入手する
特定の製剤が投与された事実を証明するために、当時の病院から診断書や治療記録を入手することが有効です。これらの書類は、給付金請求の重要な証拠となります。
ただし、カルテが存在しない場合には、有効な内容が記載された診断書が発行されない可能性が高いのが実情です。
保険会社の診断書控えを活用する
医療機関のカルテがない場合、保険会社に提出した診断書の控えや保険請求書類が、製剤投与の事実を証明する資料として活用できることがあります。これらの書類を確認し、必要に応じて提出しましょう。
主治医の証言を得る
当時の主治医が存命であれば、診療内容や製剤投与の事実について証言を依頼することが有効です。主治医の証言は、裁判において強力な証拠となります。
ただし、当時の主治医を探し出すのは難しく、また既に死亡しているケースも珍しくありません。
医師意見書を検討する
C型肝炎給付金訴訟では、カルテが残っていないケースが多いです。そのような状況では、カルテがない状況でC型肝炎感染の因果関係を立証する必要があります。
この場合、第三者の医師による「医師意見書」が役立つ可能性があります。医師意見書では、過去の病歴を詳しく分析し、フィブリノゲン製剤や血液凝固第IX因子製剤の使用が推測された根拠を示します。
尚、医師意見書を作成する医師は、C型肝炎の専門知識を持つ、日本肝臓学会認定専門医に依頼することが推奨されます。お困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。
＜参考＞
C型肝炎給付金でよくある質問
C型肝炎給付金以外に支給されるものは？
給付金以外にも、医療費助成や生活支援制度などの支援を受けられる場合があります。また、障害年金の申請が可能なケースもありますので、専門家に相談してみることをおすすめします。
C型肝炎の給付金は亡くなった人がもらえるの？
被害者が亡くなっている場合でも、遺族が給付金を受け取ることが可能です。相続人として適切な手続きを行い、必要な書類を提出することで、給付金の申請ができます。
C型肝炎で死ぬことはありますか？
C型肝炎は慢性的に進行し、放置すると肝硬変や肝がんを引き起こす可能性があります。適切な治療を受けない場合、生命に関わる深刻な合併症を引き起こすことがありますので、早期の診断と治療が重要です。
C型肝炎は唾液でうつりますか？
C型肝炎ウイルスは主に血液を介して感染します。一般的な日常生活での接触や唾液を介して感染するリスクは極めて低いとされています。ただし、歯磨きなどで出血がある場合は注意が必要です。
まとめ
C型肝炎給付金は、特定の血液製剤を使ってC型肝炎に感染した人を助けるための制度です。2008年に法律ができました。
もらえるお金は病気の重さで違い、最大で4000万円です。給付金をもらうには、国を相手に訴訟を起こす必要があります。
C型肝炎給付金の対象外として、輸血、注射針の使い回し、薬物乱用などが挙げられます。これらはすべて特定の血液製剤以外の感染理由なので、給付金の対象外となります。
C型肝炎給付金訴訟では、カルテがなくても他の証拠で給付金をもらえた人もいます。病院の診断書や主治医の証言が役立ちますが、一般的には入手困難です。
C型肝炎給付金請求訴訟で、お困りの事案があれば、こちらからお問い合わせください。
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