後遺障害等級が認定された場合、加齢変性による素因減額が争点となることがあります。自賠責保険では、年齢相応の変性であれば素因減額しないという考え方です。
このため、素因減額が争点となっている事案では、被害者の画像所見や身体所見が年齢相応であるか否かが判断基準となります。年齢相応であるか否かの判断は一見すると簡単に見えますが、実はそれほど単純なものではありません。
単純に画像所見の変性程度だけでは年齢相応か否かは判断できず、身体所見や既往歴も含めた総合的な判断が必要となります。そして更に厄介なことは人によって年齢相応か否かの判断がバラつくことが挙げられます。
診断基準や分類基準であればスコア化されることが多いのでクリアカットですが、画像所見は定性的評価になるので診断する人によってある程度のバラつきがあるのは仕方ありません。
それではこのような事案ではどのようにして年齢相応か否かを判断するかと言うと、臨床経験豊富な医師の診断がキーとなることが多い印象を受けます。
やはり、実際に患者さんを診る機会の無い放射線科医師などよりも、各専門科の専門医の診断が重視されるのは論を俟ちません。もし素因減額でお困りの事案があれば、気軽にお問合せください。
文責:メディカルコンサルティング合同会社 代表医師 濱口裕之