外傷性頚部症候群などで非該当になった事案で、被害者本人が何度も自分で異議申し立てを繰り返しているケースをときどき見かけます。
このような事案では非該当の認定が覆ることはまずありません。その理由は、異議申し立てに際して、基本的に新たな医証が必要だからです。
これは弁護士が異議申し立てする際にも該当します。弁護士の意見書や主張書面を添付して異議申し立てして等級が認定されなかった場合には、その状態で何度異議申し立てしても無駄です。
異議申し立てする際には新たな医証が必須です。新たな医証とは、主治医の診断書、MRI、画像鑑定報告書、意見書等を指します。単に弁護士の意見書提出を繰り返すだけでは、認定審査の俎上にさえ乗らないのです。
したがってMRI未実施の事案では、MRI撮像の是非を検討します。この際に弊社では、MRIで所見がありそうな事案に対しては、撮像を積極的に推奨しています。
しかし、若年者で所見が無さそうなら推奨しません。その理由は、コスト倒れになること、および訴訟になると不利からです。
通常は訴訟移行しないので、あまり深く考えずにMRIを施行しても問題無いですが、多少とも訴訟移行の可能性がありそうであれば、撮像の是非を検討するべきでしょう。
文責:メディカルコンサルティング合同会社 代表医師 濱口裕之