追加検査依頼時には施行可能性を考える

投稿日:2019年12月21日 更新日:

非該当や14級9号にとどまった事案の相談をされる際に「この検査があれば...」と感じることが多いです。医療的には絶対に必要な検査ではないとしても、交通事故実務では必須と思える検査です。しかし、その検査を施行していれば適正な等級が認定された可能性があったとしても実際に検査を施行してもらうのは容易ではありません。

 

その理由は、あくまでも医師は治療するために種々の検査を施行するからです。このため治療の役に立たない検査は施行しません。一方、交通事故実務においては、診断および事故との因果関係が重要視されます。このような相違があるため、交通事故実務において必要な検査が施行されない事案が散見されます。

 

具体的なものは下記のごとくです。

  • TFCC損傷:関節造影、関節鏡
  • 外傷性坐骨神経麻痺:神経伝導速度
  • 靭帯損傷:ストレス撮影
  • 打撲:MRI

 

例えば、TFCC損傷の存在を証明するためには、MRIだけでは役不足で関節造影や関節鏡が必要なケースが多いです。しかし、治療が前提ではないこれらの検査や手術は、被害者に大きな負担がかかります。さらに、医師サイドでも過剰医療の誹りを受けるリスクや医師としての倫理観から、被害者がお願いしても拒否されるケースが多いです。

 

このため、相談を受ける私たちも、追加検査の是非を検討する際には、必ずその検査の実施可能性について慎重に検討します。被害者や主治医にストレスのかかる検査は、実施可能性が低いことを認識する必要があります。私たちが、この検査があれば等級認定可能性が高まるのにと思っても、主治医からすれば知ったことではないのです。

 

このような状況を踏まえて、私たちが追加検査を弁護士の先生に依頼する際には細心の注意を払うことにしています。具体的には追加検査をお願いするにしても、実施しやすい単純X線像などの画像検査を第一に考え、関節造影やストレス撮影などの被害者・医師にも負担のかかる検査は極力避けるようにしています。

 

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