主治医への検査依頼方法

投稿日:2019年6月1日 更新日:

交通事故において等級獲得のためには客観的医証が必要ですが、その筆頭は言うまでも無く画像所見です。画像所見で明らかな有意所見があれば問題無いのですが、有意所見無しもしくは検査が実施されていないことが多々あります。

このような場合、主治医に検査依頼を行うのですが、検査依頼に難渋した経験のある弁護士の先生は多いのではないでしょうか? その主な原因は、医師の目的は「治療」であることです。

臨床の現場で各種検査を実施する目的は、治療方針の決定もしくは効果判定です。患者さんの治療のための検査なので、必然的に治療とは関係の無い検査は行いません。

そして、交通事故の等級判定で必要とされる検査の中には治療に結び付かないものがたくさんあります。例えば、神経損傷の客観的資料として神経伝導速度検査が有用ですが、実臨床では検査するまでもなく診断できることが多いです。

このため、わざわざ高額な検査を実施する意味が無いので、患者さんから検査実施を要望されても断るケースが多いです。「調子が悪いから精査してほしい」といった感じで要望するのは藪蛇です。医師はロジカルに考えるので、訳の分からないことを言う患者さんには警戒心を抱きます。

もし要望するとすれば、ストレートに等級獲得のためには検査が必要であることを主治医に伝えることが望ましいのではないでしょうか。

主治医が最も興味を持つのは良い治療結果ですが、それと同じぐらい患者さんとの良好な関係構築にも注意を払います。自分の大切な患者さんが等級獲得で困っていることを伝えられると、主治医としてもできる限りの協力をしたくなるものです。

このあたりの事情を知らずに、やみくもに臨床的に無意味な検査を主治医に強要することはクレーマーとみなされる危険性が高いので控えるべきでしょう。

最近は自賠責のMRI至上主義のため、交通事故=MRIという風潮が一部の法律事務所で蔓延しています。実務的には仕方ない部分がありますが、現場の医師はこの風潮に対してかなりの警戒感と不快感を持っていることを忘れてはいけません。

私もかつて骨盤部打撲でMRIを強要されたときには閉口したものです。医療資源は有限であることを念頭において、どうしても必要な場合だけ上手に主治医に依頼することを推奨します。

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