自賠責と実臨床の骨癒合定義の違い

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四肢体幹の後遺障害の項目として、長管骨の骨癒合不全や偽関節は大きなウェートを占めています。偽関節に関しては、画像的にも分かりやすいので、臨床医の立場では診断を間違うことはあまりありません。

しかし、自賠責のいう「骨癒合不全」は、臨床医の考える「骨癒合不全」とは定義が異なるので注意が必要です。臨床的には長管骨の一部で骨癒合が得られていない症例は稀ではありません。脛骨や大腿骨で内側1/3の皮質骨の骨癒合を得ていないケースもあります。

それでも外側2/3で骨癒合していれば、臨床的には何の問題もないので、患者さんは普通に日常生活を送っています。しかし、自賠責の考え方は、そうではないのです。内側1/3で骨癒合を獲得できていないのであれば、その部分は「骨癒合不全」と見なされます。

つまり、後遺障害の等級を獲得する可能性があるのです。この点を主治医に言ってもなかなか理解してもらえません。何故、機能的に問題無いのに「骨癒合不全」と診断しなければならないのかと・・・

実際、私自身も臨床医なので、主治医の気持ちはよくわかります。苦労して治したのに、「骨癒合不全」と騒がれて診断書に記載を迫られるのは勘弁して欲しいと。。。何か症状でもあるんですか? と言いたい気持ちになります。

しかし、自賠責の判断では、立派な骨癒合不全になる可能性があるので、被害者の立場では骨癒合不全の診断が欲しいところです。このあたりの実臨床医と自賠責の判断のギャップを埋めることは、なかなか容易ではないことが多いです。

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