腰椎椎間板ヘルニアの保存治療

投稿日:

以前のブログでも述べましたが、腰椎椎間板ヘルニアは2〜3ヶ月で自然退縮、吸収が期待できますので、その間は保存治療を行うことになります。

 

科学的に有効性が証明されている保存治療はどういうものでしょうか。腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドラインを参考に述べていきます。

 

診療所などでよく行われており、一般的にもよく知られている牽引療法ですが、実はその有効性は証明されていません。牽引を行うことで、椎間板内圧を減弱し、症状の緩和につながるというイメージを持ちやすいかもしれませんが、実際はそうでないようです。

 

次にmanipulationです。manipulationとは、“関節の徒手的他動伸張運動による治療行為”と定義されます。日本では国家資格のないカイロプラクティック従事者によって主に行われていますが、保険医療の対象外です。急性腰痛症に有効との報告も一部ありますが、神経症状をともなう症例には禁忌であり、椎間板ヘルニアは適応外です。

 

消炎鎮痛剤(NSAIDs)の投与に関しては、腰痛に対する有効性を示した論文はあるのですが、椎間板ヘルニアに対する有効性を示したエビデンスレベルの高い論文はありません。しかしながら経験上、消炎鎮痛剤の投与が有効な症例は多く、日常臨床では最も多い治療かと思います。

 

保存治療ではいずれもエビデンスレベルの高い論文は少ないのが実情です。どのような保存治療を行っても、ヘルニアが自然吸収される症例が多く、数ヶ月の間に治るために詳細な検討がなされてこなかったのが理由でしょうか。

 

事故後に神経症状が出現し、MRI検査で椎間板ヘルニアがみつかった症例でも、これらのガイドラインの指針は参考になると思います。しかしあくまで個人の経験上の話ですが、そういう症例のヘルニアの形態としては、“突出”というよりは“膨隆”が(膨隆の方が治りにくい)多いような印象があります。そしてその他の要素も絡み、症状が軽快しにくいという印象もあります。そこが整形外科医にとって事故後のヘルニア患者の治療の難しさを感じるところでもあります。

-ブログ

Copyright© メディカルコンサルティング合同会社 , 2019 AllRights Reserved.