骨質とは

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骨折のしやすさは、骨強度で決まります。2000年の米国立衛生研究所(NIH)におけるコンセンサス会議で“骨強度は骨密度と骨質の2つの要因からなり、骨密度は骨強度のほぼ70%を説明する“としました。そして骨質とは骨の微細構造、骨代謝回転、微細骨折の集積、骨組織の石灰化の程度をあげました。骨質とは普段聞き慣れない言葉かもしれませんが、骨強度の30%を占めるために非常に重要な要因です。近年骨質、骨代謝の研究が進み、色々なことが分かってきました。

 

骨の内部は骨梁という網の目状の微細構造から成り立っています。骨粗鬆症になると、この骨梁が細くなったり、骨梁どうしの連続がなくなって(微細骨折)きます。そしてこの骨梁を作っている骨組織はⅠ型コラーゲンを中心としたタンパク質とハイドロキシアパタイトからできており、このコラーゲンどうしがさらに架橋構造で繋がることで力学的に強度を増しています。この骨の構造はよく鉄筋コンクリートに例えられます。コンクリートがハイドロキシアパタイトで鉄筋がコラーゲン(タンパク質)です。そしてこのコンクリートが減った状態が骨密度低下の状態です。

 

最近ではこの架橋には良いものと悪いもの、すなわち善玉架橋と悪玉架橋があることが分かってきました。悪玉架橋の代表がペントシジンという終末糖化産物(Advanced glycation end products:AGEs)です。このペントシジンが増えるにつれ架橋の作用が弱くなり、骨の強度が低下し、骨粗鬆症につながります。鉄筋コンクリートの鉄筋が錆びて、強度が落ちた状態をイメージしてもらえれば分かりやすいかもしれません。

 

ペントシジンはAGEsの1つなので、糖尿病などで血糖値が上がると多く産生されます。AGEsは老化物質の1つとされ、骨だけではなく、血管、眼、軟骨などに沈着し、老化を進行させることが分かっています。骨粗鬆症が動脈硬化と関連していることは最近では常識になりつつあります。丈夫な骨を保つために食事が大切なことは当然なのですが、食べ過ぎて血糖値が上がると全くの逆効果になるということです。

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