実際に自分の患者さんでも…

投稿日:2016年11月19日 更新日:

 

先日ある診療所での80代の患者さんの診察の時のことです。この方は8年前に私自身が第4、5腰椎間を固定する手術を行った方ですが、その後の経過は良好で、湿布の処方を希望され時々通院されていた患者さんです。

 

ところが半年前、バスに乗車中、バスが急ブレーキをかけた際に転倒され、第2腰椎の圧迫骨折を受傷されました。当初はかなり疼痛がありましたが、自宅での安静とコルセットによる治療を行い、受傷後約3ヶ月で骨癒合は得られ腰痛もほとんど軽快しました。

 

半年で症状固定とし、後遺障害の診断書も作成しました。その中で11級に相当することを想定し、レントゲン上椎体は前壁が後壁に比べ2分の1以下になっていることを明記しておきました。

 

その後健康保険を利用し、通院されていたのですが、付き添いで来られていた息子さんが帰り際に“診療とは関係のないことですが”と切り出され、保険会社から送られてきた書類を見せられました。後遺障害には該当しない、との内容でした。

 

専門用語が多く、素人には分かりにくい文面だったのですが、どうも以前に第4、5腰椎間を固定していることがその理由のようです。この患者さんは受傷後しばらく痛みで動けず、トイレにも行けないためしばらくオムツをしておられました。

 

家族も懸命に介護をされ、やっと完治したのに何の報いもないということですから、本人もご家族もやりきれない気持ちになるのは当然だと思います。

 

そしてこれは医師にとっても大きな問題です。以前に手術を受けたことが、事故にあっても後遺障害に認定されない理由にされるとは由々しき事態です。ご家族の希望もあり、この方にはさっそく知り合いの弁護士さんを紹介することにしました。

 

法律事務所の顧問をして同じような事案を多く見てきましたが、実際に自分の患者さんが保険会社からの一通の手紙だけで非該当にされるとは…。もう少し保険会社は被害者の方に真摯に対応してもらいたいものです。

-ブログ

Copyright© メディカルコンサルティング合同会社 , 2019 AllRights Reserved.