下垂足の診断

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下垂足とは足関節の自動背屈が不可能になった状態で、前脛骨筋の筋力が徒手筋力テストで2以下に落ちている状態です。

原因としては腓骨神経麻痺、腰部神経根障害、稀ではありますが脳血管障害が考えられます。

実際の診療では腓骨神経麻痺と腰部神経根障害を区別することがほとんどです。前者は膝関節近くの腓骨頭という部位で神経が圧迫を受けることによって生じる圧迫性末梢神経障害(ニューロパチー)です。後者は第5腰髄(L5)神経根が障害を受けることによって生じます。以前はL4神経根障害が原因と言われておりましたが、最近ではL5神経根が原因とする考えが主流です。もちろん神経支配は個人差が大きく、全ての人にあてはまるわけではないので、各症例で検討することは重要です。

腓骨神経麻痺とL5神経根障害の鑑別ですが、まずは問診でいつから足が上がらなくなったか、膝関節あたりを圧迫する機会の有無も尋ねます。また診察ではL5神経根が支配する他の筋肉の筋力が落ちていないかを診ることが重要です。具体的には後脛骨筋と中殿筋の筋力を調べることで、両者の鑑別は可能です。ただ注意が必要なのは時々両者が混在するいわゆる”double crush”の病態も有り得ることです。

鑑別が困難な場合は腰椎のMRI検査、電気生理学的検査を行います。また下垂足が発症後2~3週間以上経っても回復傾向が見られない場合も電気生理学的検査は必要になります。今後の回復が見込めるかどうかの予後予測に役立つからです。

下垂足で発症した脳血管障害自体を私は経験したことはないのですが、膝関節周囲の圧迫の既往のない突然の発症、脳血管障害、糖尿病や高血圧など血管病変を疑わせる疾患、不整脈(発作性心房細動)の既往がある患者さんでは注意が必要と思われます。

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