画像鑑定報告書をもってしてもTFCC損傷の存在を否定されたときの対処法

投稿日:2021年10月16日 更新日:

交通事故の実務で頻出するのは手関節のTFCC損傷です。TFCCとは靱帯と線維軟骨などの複数のパーツの集合体の総称で、整形外科領域では比較的新しく提唱された外傷です。この外傷は手関節の小指側に頑固な疼痛を残すため、日常生活ではかなり不便です。

 

受傷機転は手関節の強制伸展(背屈)なので、ハンドルを握っている際に衝撃が加わると受傷してしまいます。このため交通事故では頻出の外傷となりますが、自賠責ではTFCC損傷の存在がなかなか認められません。

 

一般的には診察による身体所見(Fovea signやulno-carpal stress test)、およびMRIでTFCC損傷が診断されます。

 

客観的に分かるのはMRIの画像所見なのですが、明らかにTFCC損傷が存在するにもかかわらず「明らかな損傷をみとめない」とされて非該当となる事案が多発しています。

 

このような事案では手外科専門医(日本手外科学会)による画像鑑定報告書を添付して異議申し立てするのですが、それでもTFCC損傷の存在を否定されることもあります。

 

このような場合、次の手が悩ましいのですが、

  1. 3テスラ以上のMRIで再検査する
  2. 別の医師による画像鑑定報告書を作成する
  3. 関節造影を実施する

という3つの選択肢が考えられます。

 

最も有効なのは③関節造影ですが、侵襲的な検査であることと、主治医が慣れていない場合が多いため実施が難しいケースが多いです。

 

一方、②別医師による画像鑑定報告書も効果がイマイチな印象を受けます。このため、弊社では①3テスラ以上のMRIで再検査することを推奨しています。

 

そして再検査で明確なTFCC損傷があれば、主治医に新規の診断書を発行してもらいます。ダメ押しで新規検査にたいする画像鑑定報告書を添付することも有効と考えています。

 

このようにしてTFCC損傷の存在を証明するわけですが、画像所見だけでは認められないことが多いのも事実です。

 

このため弊社では診療録を精査して、経過や身体所見を洗い出します。また事故態様も重要な情報です。これらの情報と新たな画像所見をまとめて、手外科の専門医による意見書を作成することもあります。

 

個々の事案でやるべきことは異なりますので、TFCC損傷でお困りの事案があれば弊社までご相談ください。

 

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