胸腹部外傷は意外と後遺障害を残さない

投稿日:2021年4月3日 更新日:

外傷の重症度は、必ずしも後遺障害等級とリンクしないと感じることがときどきあります。特に、胸腹部外傷では、救命のために緊急手術を施行しているにもかかわらず、後遺障害等級がつかずに非該当になるケースが多い印象を抱いています。

 

例えば、腸管損傷で大腸を部分切除された事案であっても、切除範囲が小さければ非該当になってしまいます。もちろん大腸の狭窄を残した場合や、便秘症状が残存するケースでは後遺障害等級が認められることもありますが、等級認定へのハードルは高いと言わざるを得ません。

 

それでは、実際に四肢外傷や脳神経外傷と比較して症状の残りやすさはどうなのかと言うと、たしかに同じ程度の高エネルギー外傷であれば胸腹部外傷の方が症状を残しにくいと思います。その理由のひとつは、胸腹部臓器は生命維持に必要な機能を担っているため、組織損傷があっても健常部分で代償されやすいからだと考えています。

 

一方、四肢や脳神経への外傷はリカバリーが利きにくく、後遺障害を残しやすいと言えます。事故後の急性期には胸腹部外傷の方が生命の危機に瀕しやすいですが、その時期を乗り切ると意外なほど後遺障害を残さずに回復するケースが多いのです。

 

弊社には胸腹部の高エネルギー外傷事案の相談も頻回に寄せられます。しかし、傷病名が派手な割には「治癒」していることが多く、後遺障害等級認定は難しいことが多いです。胸腹部外傷は意外と後遺障害を残しにくいことは頭の片隅に置いておいてもよいと思います。

 

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