それは本当に骨挫傷なのか?

投稿日:

骨挫傷とは、MRIが広く臨床応用されるようになって新しくできた概念です。MRIのT1強調画像で低信号、T2強調画像でびまん性に高信号をきたします。骨髄内での出血、浮腫、微小骨折を描出していると言われており、臨床医にとっては骨折の前段階といった感覚です。

一方、自賠責において、骨挫傷は後遺障害を残さない一過性の病態とされています。このこと自体に異論は無いのですが、骨挫傷のようにみえても実際は骨折であったということがあります。

特に荷重関節では、当初骨挫傷と思われていても実際には転位の無い骨折であり、最終的に転位したということはときどき見かけます。単なる骨髄内の出血なのか、転位の無い骨折なのかの判断は画像所見だけでは難しいのが実情です。

骨挫傷の症例を診た場合には、そのまま放置するのではなく、何度か単純X線像を撮影して経過観察を行います。もし骨挫傷ではなく骨折であった場合には、転位すると後遺障害を残してしまうからです。

よく非該当通知書で「骨挫傷なので云々」という内容の記載を見かけますが、画像を精査すると骨挫傷ではなく実は骨折だったということがときどきあります。

自賠責が「骨挫傷なので後遺障害は残さず一過性の病態である」と主張していても、主治医はしっかり診ているので骨挫傷ではなく「骨折」という診断名をつけていることが多いです。

このような場合には、単純X線像で受傷後1ヵ月程度経過してから、骨折部に化骨形成を認めることが多いです。もし骨挫傷のために非該当となった事案では、単純X線像を確認して化骨形成がみとめられるのか否かを確認するべきだと思います。

-ブログ

Copyright© メディカルコンサルティング合同会社 , 2021 AllRights Reserved.