CRPSにおける実臨床と自賠責実務の乖離

投稿日:2020年11月7日 更新日:

実臨床でも、ときどきCRPSの患者さんを診察することはあります。頻度はさほど高くないのですが、一見してCRPSであることが判断できる症例が多い印象です。

 

実臨床では、2008年厚生労働省研究班による複合性局所疼痛症候群のための判定指標でCRPSが判定されることが多いです。この判定指標の目的は、できるだけ早期にCRPS症例を拾い上げて治療を開始することです。

 

したがって、判定指標のしばりは緩く、CRPS以外の疾患が紛れ込んでいる可能性があります。しかし、診断ではなく治療が重要である実臨床では、厳密に診断することに固執して治療開始が遅れるよりも、多少他の疾患が紛れ込んでいても早期に治療を開始することが優先されます。

 

一方、自賠責のCRPSの認定基準では、下記の3点すべてを満たさなければCRPSと認定されません。

  1. 関節拘縮
  2. 骨萎縮
  3. 皮膚の変化

いずれか一つでも欠けているとCRPSとは認定されないため、ハードルは高いと言わざるを得ません。その理由は、自賠責では適正な賠償業務のために、厳密にCRPSか否かを判断する必要があるからです。

 

このように、実臨床と自賠責実務は真逆の方向を向いているので、現場が混乱する一因となっています。つまり、実臨床でCRPSとして治療を受けている事案であっても、その多くは自賠責のCRPS認定基準を満たさないという問題が発生しているのです。

 

実臨床では疑わしきは受け入れ、自賠責では疑わしきは否定するという対応ですが、両者ともそれぞれの目的があるので仕方無いことだと考えています。

 

所見や治療経過をみると、本当にCRPSなのか否かはある程度判断できます。自賠責認定基準を満たさない場合には、訴訟提起するしか方法がありません。CRPSで治療中にもかかわらず自賠責で否定されて事案でお困りの弁護士の先生は、弊社にご相談ください。

 

【注意】

一般の方からの相談は固くお断りしています。質問等がございましたら、必ず弁護士を通じてご相談ください。直接弊社に電話連絡された場合には、今後一切の取引を停止いたします。

 

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