脊柱の変形障害の大雑把な理解法

投稿日:2020年10月17日 更新日:

脊柱の変形障害には、変形程度に応じて下記3つがあります。

  • 脊柱に著しい変形を残すもの(6級5号)
  • 脊柱に中程度の変形を残すもの(8級2号)
  • 脊柱に変形を残すもの(11級7号)

各等級の細かい認定要件は他に譲りますが、ここでは整形外科医の目線で脊柱の変形障害についての私見を述べさせていただきます。

 

実臨床で脊椎圧迫骨折の後遺障害として最も問題になるのは、脊柱アライメントの変化です。具体的には脊椎圧迫骨折を受傷すると、椎体前壁が圧壊するため脊柱アライメントは後弯変形をきたします。後弯変形とは、いわゆる背中が曲がった状態です。

 

なぜ脊柱アライメントが後弯が問題になるのかというと、しつこい背部痛残存、隣接椎体障害、隣接椎体骨折を併発しやすくなるからです。これらはループ状に病態を悪化させていくので、後弯変形が高度であるほど種々の障害を残しやすいのです。

 

自賠責認定基準では、6級および8級の後遺障害認定基準に側弯変形もありますが、実臨床では脊椎骨折で側弯変形をきたすことはほぼありません。したがって、実質的には脊柱の後弯変形のみで、6級、8級、11級のいずれに該当するのかを判定することになります。

 

上記の3つの等級は、ざっくりと下記のように分けられます。

  • 6級は椎体1個以上の椎体前方高の減少
  • 8級は椎体の1/2以上の椎体前方高の減少
  • 11級は椎体の1/2に満たない椎体前方高の減少

正書やインターネットではいろいろ複雑なことが記載されていますが、実は脊柱変形の定義は非常にシンプルなのです。

 

一方、脊椎圧迫骨折には、椎体前方が圧壊する楔状椎以外にも、椎体中央が圧壊する魚椎や、全体的に椎体が圧壊する扁平椎があります。これらの脊柱変形はどのように評価するべきなのでしょうか?

 

ここで基本に戻って、実臨床で問題になるのは脊柱の後弯変形であることを思い出してください。魚椎や扁平椎では、さほど後弯変形をきたしません。このため、後遺障害等級も11級7号になると覚えておけばよいでしょう。

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