1椎体の椎体骨折にもかかわらず 8級認定

投稿日:2020年9月12日 更新日:

最近、2事案続けて1椎体の椎体骨折にもかかわらず、後遺障害等級で8級が認定された事案を経験しました。ご存知のように、脊柱に中程度の変形を残すものとして8級相当の後遺障害等級が認定されるためには、「1個以上の椎体の前方椎体高が減少し、後彎が生じているもの」を満たしている必要があります。

 

「1個以上の椎体の前方椎体高が減少しているもの」なので、普通に考えると1椎体の椎体骨折では定義を満たすことは難しそうです。事実、2事案とも相当圧壊しているものの、1個以上の椎体の前方椎体高が減少してはいませんでした。

 

なぜ、8級相当の認定がなされたのかを検討したのですが、いずれも1椎体の椎体骨折ではあるものの、相当な後弯変形をきたしていました。しかもそのうちの1事案は胸腰移行部の圧迫骨折で椎体前方が完全に圧壊して一部で偽関節化しています(いわゆるcleftを形成)。

 

総合的に考えると、たしかに1椎体の椎体骨折ではあるものの相当な後弯変形をきたしていることが、8級相当の後遺障害認定がなされた要因ではないかと推察しました。このあたりの自賠責の判断は確実に全例に適応されるものではないのでしょうが、今回の2事案に関しては現実に即した適性な認定がなされていると感じました。

 

2020/9/17 追記

「脊柱に中程度の変形を残すもの」として後遺障害等級の別表第二第8級相当に認定されるのは「1個以上の椎体の前方椎体高が減少しているもの」ですが、この場合の「1個以上の椎体」の意味は、減少した椎体高ではなく、骨折した椎体の数であるとのご指摘を受けました。

 

正解は、「1個以上の椎体」に骨折が存在し、その骨折によって「前方椎体高の減少が後方椎体高の50%以上のもの」という定義となります。つまり、1個の椎体骨折であっても50%以上の前方椎体高の圧壊があれば「脊柱に中程度の変形を残すもの」として8級相当に認定されるということです。

 

若年者ではあまり見かけませんが、高齢者では1椎体でも前方椎体高が50%以上圧壊することは比較的よくあります。私が、1椎体の圧迫骨折で8級が認定された事案を珍しいと感じたのは、交通事故被害者は比較的若年者が多いことが理由だったようです。

 

ちなみに、「脊柱に著しい変形を残すもの」として6級5号に認定されるのは、「2個以上の椎体」に骨折が存在し、かつ「減少した前方椎体高の合計が後方椎体高の1個当たりの高さ ≒ 100%の圧壊」となる場合です。

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