脊柱の運動障害が認められる条件とは

投稿日:2020年2月22日 更新日:

脊椎椎体圧迫骨折では脊柱の変形障害もさることながら、胸腰椎部の可動域制限による運動障害も残存する可能性があります。実は、私たち整形外科医は日常生活においては胸腰椎部の可動域制限にはあまり気にかけません。

手関節や膝関節の可動域制限は見た目に分かりやすくて障害による不便さが際立ちます。しかし、脊柱の可動域制限にかんしては「身体が固くなったな」という程度の認識しかしないことが多いからです。股関節や頚椎での代償動作が可能なことも理由のひとつかもしれません。

ところが後遺障害等級の現場では脊柱変形障害以上に運動障害が問題になることが多いです。何故なら脊柱の運動障害は比較的等級が高いからです。具体的には脊柱変形障害で11級7号が認定されているものの、8級2号の運動障害が認定されるか否かで争いになっている事案です。

四肢の関節では外固定を施行することで関節拘縮をきたしやすいです。それと同じ理屈で脊椎でもロングフレームコルセット等で長期間固定すると、脊椎椎間関節や脊椎周辺の軟部組織の拘縮を併発して胸腰椎部の可動域制限をきたします。

ただし、実際には脊柱の運動障害が等級として認められることは少ないのが現状です。それは骨折との直接的因果関係を証明することが難しいからです。対応としては、診療録などで丹念に治療経過を追って脊椎骨折に対する治療がどのように施行されてのかを確認することです。

ロングフレームコルセットで3ヵ月固定したような症例では、脊柱の運動障害が認められるケースがあります。このあたりの感覚は実臨床に携わっている整形外科医にしか分からないので、もしお困りの事案があれば気軽にご相談ください。

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