深部腱反射の臨床的意味を考える

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自賠責実務において、深部腱反射が重要視されていることは周知の事実だと思います。その理由は、深部腱反射は被害者の恣意性を排することができるからだと推察しています。たしかにそういう意味では、深部腱反射は客観性を担保できています。

 

それでは、深部腱反射が本当に客観的な検査なのかというと、残念ながら客観的検査とは言い難いのが実情です。客観的ではない最大の理由は、下記のごとくです。

  1. 検者(医師)の技量や癖に依存する
  2. 深部腱反射の強さには大きな個人差がある

 

まず①検者(医師)の技量や癖に依存するですが、深部腱反射の強さには客観的な基準がありません。さすがに(-)は一致しますが、(±)(+)(2+)は検者によって感じ方がバラバラです。同一の患者さんの四肢腱反射を10名の医師が診察すれば、10通りの判断がでてもおかしくありません。深部腱反射を定量化することは不可能なのです。

 

つぎに②深部腱反射の強さには大きな個人差があるですが、正常=(+)ではありません。正常=(2+)や正常=(-)もあります。つまり深部腱反射が亢進しているのか消失しているのかは、経時的に観察しなければ正確には判断できないです。

 

しかも、臨床的に深部腱反射は初診時には診断の判断材料になりますが、それ以降のフォロー期間になると臨床的な意味合いは少なくなるので、深部腱反射の推移を経時的に正確に診察するケースはほぼ皆無です。

 

このような臨床の実状を無視して深部腱反射の結果や推移に目くじらを立てるのは、臨床医の立場からすると滑稽と言わざるを得ません。このあたりの旧態依然な認定基準をいつまでも温存するのではなく、医学的により正確な方向へ改善するべきなのではないかと感じています。

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