複視の認定基準の問題点

投稿日:2019年1月26日 更新日:

最近、眼科領域の事案が続きました。眼窩吹き抜け骨折に併発した複視が多かったのですが、正面視での複視の有無が争点となっています。ご存知のように複視では下記のような等級となります。

  • 10級2号 正面視で複視の症状を残すもの
  • 13級2号 正面視意外で複視の症状を残すもの

このうち、10級2号に相当するか否かが争点となることが多いです。障害認定必携によると「正面視で複視を残すもの」はヘススクリーンテストにより正面視で複視の中心の位置にあることが確認されることと記載されています。

ヘススクリーンテストは眼球の動きを他覚的に測定する検査なので、客観的に複視の存在を証明できると考えられるためです。しかし、実臨床においては、ヘスチャートのみで正面視で複視があることは証明できません。あくまで眼球の動きの差をみているにすぎないので、本当に複視が無いのかは分からないのです。

臨床的には、正面視で複視があるかを証明するためには両眼単一視野検査が必要になります。 ヘスチャートで5度以上のずれがあり、かつ、両眼単一視領域で正面視で複視が検出されていれば、正面視で複視があると言えます。

しかし、両眼単一視領域は自覚的検査であり、単独では詐病を否定できません。このため、後遺障害認定の現場では、他覚的検査であるヘスチャートが必要となっています。実臨床では両眼単一視野検査 で複視の存在を把握しますが、後遺障害認定ではヘスチャートが基準になっているいます。

この差異は大きな問題をはらんでいます。つまり、実際には正面視で複視があるのに、ヘスチャートで 5度以上のずれが無いという理由で、正面視での複視の存在が否定されてしまうのです。

確かに両眼単一視野検査だけでは詐病の存在を排除できないのですが、正面視での複視による後遺障害が漏れている実情を鑑みると、何とかしてあげたいと悩んでいるのが現状です。


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