CRPSではMRIよりも単純X線像が重要

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交通事故関係の医療相談に際して、最も重視していることは画像所見です。やはり、客観的な証拠となるため、画像で何らかの所見が無いかをかなり詳細に読影しています。

 

しかし、ときどき画像でほとんど所見が無いにも関わらず、かなりきつい症状が残っている事案があります。医療サイドの立場では、このような画像所見と自覚症状の乖離が大きな交通事故関係の患者さんは「詐病ではないのか?」と勘繰りがちです。

 

もちろん、詐病であるケースも散見しますが、そうではない患者さんも多いです。そのような患者さんの中には、ときどき複合性局所疼痛症候群(Complex regional pain syndrome; CRPS)の方が紛れ込んでいます。

 

CRPSは、交感神経の過剰な活性化に関っていると考えられる疼痛で、神経因性疼痛の代表的疾患です。外傷後に発症することが多いですが、重症度とは関係なく軽微な外傷後にでも発症することがあります。

 

以前は、カウザルギー・反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)とも呼ばれていました。感覚過敏・アロディニア・浮腫・腫脹・皮膚温異常・局所的骨粗鬆症など様々な症状が観察されることが多いことが特徴です。

 

最近の傾向として、画像はMRIが重視される風潮がありますが、CRPSの診断では単純X線像が重要です。これは局所的骨粗鬆症による骨萎縮の存在を確認するためです。CRPSでは高率に患部の骨萎縮を認めるので、MRIよりも単純X線像が重要なのです。

 

軽度のCRPSの場合は、主治医も見落としていることがあります。MRI等の画像所見が乏しい場合でも、被害者の訴える症状が高度である場合には、CRPSの存在も念頭において主治医との折衝に臨むことも必要かもしれません。

 

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