交通事故コラム詳細

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2017.1.21

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後遺障害で問題になる骨挫傷とは【メディカルコンサルティング合同会社】

 

骨挫傷は非該当になりやすい

 

交通事故の被害者の方の画像所見として、骨挫傷を比較的よくみかけます。治療的な観点からは、骨挫傷が大きな問題になることはあまりないです。

 

しかし、画像所見が比較的派手なので、顧問先の弁護士の先生からよく質問を受けます。今回は、骨挫傷とそれに類する状態である不顕性骨折について説明したいと思います。

 

単純X線像で所見の無い症例であっても、疼痛が続く場合にMRIを施行すると、骨髄内に浮腫ないし出血の信号(T1WI像・低信号+T2WI像・高信号)を呈していることがあります。

 

この信号変化は、不顕性骨折(occult fracture)や骨挫傷(bone contusion またはbone bruise)と呼ばれる病態で、MRIによる画像診断から生まれた概念です。

 

骨挫傷は、病理学的には微小な骨梁骨折と、それに伴う骨髄内の出血や浮腫を反映しているとされています。その自然経過はさまざまで、多くの帰結をとることが明らかになっています。

 

そのなかで、骨髄の浮腫のみでやがて消退する単純な「骨挫傷」は、文献的にはMRIでの異常信号像は約6週間~12週間で消退するとされています。骨挫傷は、地図状のT1 強調画像・低信号領域、T2強調画像・高信号領域として描出されます。

 

一方、不顕性骨折と骨挫傷との間に、明瞭な区別はできていません。一般的には、T1 強調画像において、線上あるいは帯状の低信号領域を示すものを不顕性骨折、地図状の低信号領域を示すものを骨挫傷と称しています。

 

この画像所見は、骨同志が直接ぶつかり合うことによる圧迫力が加わった場合に著明であり、靱帯や腱の剥離のような伸延力による傷害では軽度であることが知られています。

 

つまり、骨挫傷は膝関節で大腿骨と脛骨が衝突する場合など、関節において骨が互いに衝突する場合や、骨に直接外力が加わったときに生じます。骨挫傷の臨床的な意味合いは、疼痛の原因となりうることです。

 

単純X線像では異常がみとめないが、疼痛が持続する場合には、骨挫傷が原因である可能性も考えるべきでしょう。ただ、一般的には受傷後1 ヵ月以降で骨挫傷は消退する傾向が明らかになり、2~3 ヵ月後にはほとんど検出されなくなります。これに伴い、臨床症状も消失することが多いです。

 

逆に受傷後3ヵ月以上経過しても検出される異常信号像は、骨挫傷ではなく不顕性骨折である可能性があります。初期の画像では骨挫傷であっても、結局は不顕性骨折であったということがあるので注意が必要です。

 

 

 

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メディカルコンサルティング合同会社は、医師が代表をつとめる会社としては業界最大手です。全国約130名の各科専門医と、年間約1000例の交通事故事案に取り組んでいます。

 

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